08
ヨーテリーをジョーイさんに預け、さっきのことを簡単に説明する。
ジョーイさんはヨーテリーの治療が終わったら、ジュンサーさんに保護してもらうと約束してくれた。
これでもう酷い目に遭うことは無いだろう。良かった。
「さっきの子が心配だな。相手は大人2人だし……」
「首突っ込んで目を付けられたいわけ?」
「碧雅の言う通りです。マスターを危険に晒すわけにはいきません」
「でも危険なのはアイツだってそうだろ? なぁユイ、今からでも加勢しに戻ろうぜ」
「別に良い」
あの時と同じ声が聞こえ、勢い良く振り返る。
そこにはあの女の子が何事も無かったかのように立っていた。
女の子はスタスタと歩いていくと、2つのモンスターボールをジョーイさんに預けた。
「あ、あの! さっきはありがとう。
見たことの無いポケモンが相手だったし、助かったよ」
「……私はあのヨーテリーを助けたかっただけ」
く、クールだ……。カミツレさんとはまた違ったクールビューティだ……!
「さっきも思ったけど、あんた雰囲気が碧雅に似てるなー」
「みやび……?」
女の子が怪訝そうに碧雅の名前を繰り返す。
まぁ普通はそういう反応になるよね。
「私のグレイシアだよ。確かに、ちょっと似てるかも」
「グレイシア……。イッシュにいないポケモンでバトルしようとしてたの?」
あ、ものすごく冷ややかな目で見られてる! 何で!?
「実は俺たち、イッシュには旅行で来たんだ。
あの2人組の行動が晶君の逆鱗に触れたみたいでね。
彼が擬人化を解く前に来てくれて助かったよ」
璃珀の紳士的な対応を見て、女の子は一応納得してくれたみたいだった。
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