04
「着いたね、ここがヒウンシティだよ」
地下鉄の改札を抜けてゲートを出ると、目の前に青い海が広がっていた。
ヒウンシティはセントラルエリアを中心に放射状に道が伸びていて、今歩いてるのは海沿いのストリートなんだって。
「で、ヒウンアイスのお店ってどこにあるの」
「碧雅待って! お店は逃げないから!」
「俺が碧雅君と先に行ってるから、ご主人たちはゆっくりおいで」
「早く来ないと僕が全部食べるからね」
それだけ言って、碧雅は璃珀と一緒にアイス屋さんに向かった。
よっぽど食べたかったんだな……。
「普段からあれだけアイスを食べて、よく腹を壊さないな」
「彼は氷タイプですからね。
それはそうと、私たちもアイス屋さんに向かいましょう。
マスターが召し上がる分だけでも確保しなくては!」
碧雅と璃珀の後を追い掛けるように海沿いを歩いていく。
地図見てて思ってたけど、ヒウンシティの地形ってどことなくミアレシティに似てるな。
街の中央から道が放射状に伸びてるところなんか、すごく似てると思うんだ。
アイス屋さんの長蛇の列に並ぶこと数十分。ようやく念願のヒウンアイスを購入できた。
これだけたくさんのお客さんが並ぶくらいだし、きっと……いや絶対美味しいんだろうなぁ。
「うん、美味しい。紅眞、君って舌には自信あるんでしょ?
シンオウ戻ってからも作ってよ」
碧雅食べるの早いな、相変わらず! 今食べてるそれが2個目なの、私見たからね!
「作れそうだったらなー。……ん、めちゃうま!」
「甘さもしつこくないな。悪くない」
あれ、そういえば璃珀は食べてないな。
「璃珀は買わなかったの?」
「買ってたけど、碧雅君にあげたんだ。俺は何度か食べたことあるし、"食べたい"って顔に書いてたからね」
ま、まさかの3個目……だと……!?
碧雅は"くれるって言うから貰った"って涼しい顔してる。
璃珀が気にしてないなら、それで良いのかな。
「マスターも、溶けてしまう前にお召し上がりください」
「そうだね。じゃあいただきまーす」
どんな味がするのか少しワクワクしながらヒウンアイスを食べようとした時、どこからか"わあっ!?"って声が聞こえた。
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