03
ポケモンセンターでチェックインを済ませ、私たちは時間の許す限りライモンシティを観光した。
ミュージカルの方はその名前の通り、ポケモンが主体のミュージカルだった。
衣装や小道具で着飾ったポケモンたちが、音楽に合わせて楽しそうに踊る。
見たことのないポケモンたちを目の前にした時の、あの感動は一生モノになると思う。
遊園地にある観覧車は2人乗りってルールがあるらしくて、私は緋翠と乗った。
紅眞は晶と乗りたがってたけど、"うるさいのは御免だ"って断固拒否されて。
紅眞は璃珀と、晶は碧雅と乗ることになったんだよね。
そして今はファッションショーを見終わって、レストランでディナー中だ。
「カミツレさんって人、綺麗だったなぁ。スレンダーだし、顔も小さいし羨ましい」
「無い物ねだりするだけ無駄だぞ、ちんちくりん」
晶の言葉がグッサリと刺さる。
緋翠が"マスターもとても素敵ですよ!"とすかさずフォローしてくれた。
その隣では紅眞がガイドブックの地図を広げている。
「明日はヒウンシティに行くんだよな? そこでは何するんだ?」
「えっと、ヒウンシティでは遊覧船に乗ろうかなって。
で、その後はヒウンアイスを買って食べよう! 街の人気スイーツなんだって」
「ヒウンアイス……へぇ、良い物あるじゃん」
うん、まぁ予想はしてたけどやっぱり碧雅が食い付いたな。
「じゃあヒウンシティ行きの地下鉄に乗らないとね。迷いやすいから、手を引いてあげるよご主人」
「では身辺警護はお任せください!」
「ヒウンアイスかぁ、俺でも作れっかな?」
みんな、今回の旅行を楽しんでくれてるみたいで良かった。
でも身辺警護は大袈裟だよ、緋翠……。
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