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結果として、トーナメント戦はアレックスさんの優勝に終わった。

でも私にとってもすごく勉強になる1日だった。

「3人とも、今日はありがとう!
アレックスさんも、とっても勉強になりました」

「それは良かった。君にとって何か得るものがあったのなら、何よりだよ」

「私たちも楽しませてもらったよ。ありがとうね、ユイ!」

「僕たちも君も、これから色んなトレーナーと戦う場面が増える。
今日のトーナメント戦の思い出が、君の役に立つと嬉しいよ」

「旅する場所や目的が違ったとしても、私たちはずっと友だちだから。お互い頑張ろうね!」

「うん!」

みんなの言葉が、心に暖かく広がっていく。

私は本当に、友だちに恵まれたなぁ。

「さて、じゃあおやつの時間にしようか。
今日はフォンダンショコラを作ってみました!」

ポケモンたちはポフィンね、とニッコリ笑う。

レイナの言葉に全員の心が浮き立つ。

それなら、と緋翠に紅茶の準備をお願いした。

全員でピクニックシートを敷いて、ティータイムを楽しむ。

感想から言わせてもらうと、前回のザッハトルテに引けを取らないくらい美味しかった。

碧雅たちも、珍しいチョコ味のポフィンを美味しそうに食べている。

余ったチョコレートで作ったらしいけど、結構斬新だよね。

ナオトが目をパアッと輝かせながらフォンダンショコラを食べてる。

そんな彼と楽しそうに談笑するレイナを見た璃珀と龍矢君が、"へぇ、あの2人ってそういう……"って意味深な笑顔を向けていた。

その後はアレックスさんに烈さんのメガシンカを見せてもらって。

とても有意義な時間を過ごしたのだった。



楽しかった時間は終わりを告げて、コトブキ空港でフユカとアレックスさんを見送る。

「今日はとても楽しかったよ。またみんなで会おうね!」

「うん、私も楽しかった!」

「またカロスに来ることがあったら、今度はミアレシティ以外の場所を案内するよ」

「それは楽しみです。アレックスさんもお元気で」

「フユカ。ミアレシティに戻ったら、これをプラターヌ博士に渡してくれる?
カロスに行った時、色々お世話になったから」

「あ、フォンダンショコラだね。博士もスイーツ好きだし、きっと喜ぶよ」

レイナが箱を手渡すと同時に、カロス行きの飛行機のアナウンスが響く。

フユカとアレックスさんは飛行機に乗り込み、カロスへと戻っていった。

「さて、僕たちもそろそろ戻ろうか」

「そうだね。行こう、ユイ」

「うん!」

談笑しながら並んで歩く私たちを、夕焼け色の光が照らしていた。


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