07


色んな話を聞いて勉強している間も、2人のバトルは続いている。

蒼真君も天馬君も、だいぶ体力が削られているみたいだった。

というか……。



(日差しの時間長くない?)



ナオトが日本晴れの指示を出してから、とっくに5ターンは経っている。

もう陰ってきてもおかしくないのに、日差しは依然強いままだ。フユカもその事に気付いたみたい。

「天馬君、その首に下げてる物ってもしかして……」

『うん、"熱い岩"だよ。この前ナオトが買ってくれたんだ!』

熱い岩っていうのを持ってたら、日差しが長引くのかな?

水タイプにとって要注意なアイテムかも。璃珀も他人事じゃないね。

「悪いけれど、決着をつけさせてもらうよ。天馬、ジャンプだ!」

『オッケー!』

「気を付けて、蒼真! 何か仕掛けてくるよ!」

『うん……!』

天馬君が地面を蹴って高く跳び上がる。

「今だ、朝の日差し!」

「えぇっ!?」

太陽の光を受けて、天馬君の体が白く輝く。

地面に着地した彼の顔色から、疲れが消えていた。

「朝の日差しか……。日差しが強いと回復量が増える技だね」

璃珀が興味深そうに天馬君を見る。

レイナはナオトたちの様子を見て、"やっぱりね"と呟いた。

「"やっぱり"って、レイナはこうなるって分かってたの?」

「確証は無かったけどね。
ノモセシティのジム戦で見た戦略だったから、もしかしてと思って」

ジムリーダー相手に使った作戦だったのか。参考になるなぁ。

バトルの結果は、火炎車が直撃した蒼真君の負け。

ナオトが3回戦目に駒を進めた。


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