06


幸矢君と碧雅のバトルは、碧雅の粘り勝ちで終わった。

不利な状況で、本当によく頑張ってくれたよ。

ボールに戻る直前、ちゃっかりアイスを買う約束を取り付けられたけど。

そして今は2戦目、フユカとナオトのバトルを観戦している。

トレーナーの指示を受けて戦うのは、蒼真君と天馬君だ。

「火炎車だ!」

「防御を上げるよ、リフレクター!」

蒼真君の正面に光でできた壁が展開した。

リフレクターは緋翠が覚えてるから知ってる。物理技のダメージ量を半減するんだよね。

「流石だね、ナオト。これはかなり苦戦するかも」

「フユカの方こそ、なかなか手強いね。
さて、そろそろ頃合か。天馬、日本晴れ!」

「……蒼真君相手に、日本晴れ?」

炎タイプの技の威力が上がるのは分かるけど……。

「もしかしたら、天馬君はソーラービームを覚えているのかもしれないね。
日差しが強いと、光を貯める時間を短縮できるから」

"あくまで推測に過ぎないけれど"と璃珀がそう説明してくれる。

レイナは"あっ"って顔してて、何か気付いたみたい。

教えてもらおうと思って聞いてみたけど、"見てのお楽しみ"とはぐらかされてしまった。

「炎技に気を付けなきゃね。蒼真、猫の手!」

『うん……!』

初めて聞く名前の技を聞いて蒼真君が繰り出したのは、原始の力だった。

続けて猫の手を使ってエナジーボールを繰り出す。

「猫の手か。面白い技を使うじゃん、蒼真」

「龍矢君、どんな技か知ってるの?」

「もちろん。猫の手はそのトレーナーの手持ちポケモンの技をランダムで繰り出す技。
つまり蒼真は、悠冬の原始の力と緑炎のエナジーボールを使ったってわけ」

「へぇ、そんな技があるんだね」

レイナも初めて見たっぽいし、まだまだ知らないことがいっぱいだなぁ。


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