05
「それでは、バトル開始!」
アレックスさんの号令でバトルフィールドに緊張が走る。
先攻はジャンケンで私に決まった。
「碧雅、冷凍ビーム!」
「電光石火で躱して!」
幸矢君が素早い動きで冷凍ビームを躱して突っ込んでくる。
このまま正面から迎え撃つことにしよう。
「アイアンテール!」
『分かった』
碧雅の尾が銀色に光り、幸矢君に向かってしなる。
もし私が向こうの立場だったら撹乱するように指示を出すけど、レイナはどうするんだろう?
「そのままアクアジェット!」
『了解』
幸矢君の全身が大量の水に包まれ、更にスピードを増す。
そしてそのままの勢いで、アイアンテールとアクアジェットがぶつかった。
「幸矢、ナイスだよ! もう少し遅かったら危なかった!」
『なるほどね。
直前にアクアジェットに切り替えたのは、そういうことか』
碧雅が冷静に分析してるけど、私は何故レイナがあんな行動を指示したのかよく分かってない。
「ど、どういうこと?」
『ノーマル技のまま突っ込むよりもダメージ量が少なくなるからだよ。
鋼タイプの技も水タイプには効果がいまひとつだからね』
厄介だな……と零す碧雅の状況判断力に舌を巻く。
だったら、幸矢君に接近するのは危険かも。
「もう1度電光石火!」
「ヤバっ!? 冷凍ビームで迎え撃って!」
碧雅の口から冷気が光となって空中を走る。
それを見たレイナがニッと笑った。
「その冷凍ビームいただき! 幸矢、冷凍パンチ!」
幸矢君が右手を青く光らせて向かってくる。
碧雅の放った冷凍ビームに拳をぶつけると、青い光の光が倍以上に強くなった。
あんな方法で冷凍パンチを強化するなんて!
思いもよらない展開ばかりで、何だかワクワクしてきた!
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