04
おみくじを買って焔の言動に(ある意味)衝撃を受けた私たち。
今は参道にある屋台を見て回ってます。そして買い食い。
こっちの世界にも焼きとうもろこしとかあるんだ。美味しい。
それぞれが自分の好きなものを食べながら歩いてると、來夢と綿飴を食べていた笑理が何かに気づいた。
「あれ、何か落ちてる」
笑理が拾い上げたそれは、青のガラス玉が使われたイヤリングだった。
「これ、ビードロみくじに付いてるアクセサリーだよね? 誰かの落し物かな?」
しばらく持って回って、落とし主が見つかりそうになかったら巫女さんに届けに行こう。
と、その時――。
「だからあれほど"身に付けるかカバンに入れろ"と言ったんです。
それをポケットに入れたまま落とすなんてバカなんですか? あ、バカでしたね」
「蒼陽ヒドイ! 確かにポケットに入れたままにしてたのは反省してるけど、バカはないでしょ!」
「いや、バカだろ」
「こ、幸夜まで……!」
「まぁまぁ。落としちゃったものは仕方ないんじゃないの?
しばらく経ってから落し物に届いてないか聞いてみたらいいじゃん」
「ううぅ……ありがとう、竜牙」
何やら賑やかな集団がいた。
聞こえてくる話の内容を聞くに、何かを落としたみたいだ。
盗み聞きじゃないよ、決して!
もしかしたら、イヤリングの落とし主かも。
よし、話しかけてみよう!
「あの……」
「ん? 俺たちに何か用?」
水色の髪の男性が人好きのする笑顔で答えてくれた。しかもイケメンだ!
「いえ、何か困ってるみたいだったからどうしたのかなって」
すると、イケメンたちと一緒にいた女の子が事情を話してくれた。
「実はさっきビードロみくじを引いたんですけど、一緒に付いてたイヤリングを失くしちゃったんです」
「イヤリング?」
「青のガラス玉が付いたイヤリングなんですけど……」
「それってもしかして、これのことですか?」
私はさっき拾ったイヤリングを女の子に見せた。
「あ! それです!」
「それをどこで?」
青のスーツを着た男性に声をかけられる。
「とんど焼きをやってる広場で。
落とし主が見つかって良かった。しばらく探して見つからなかったら、巫女さんに預けようと思ってたんです」
「ありがとうございます! 気に入ってたから探し回ってたんですよ!
私、ユイって言います。あなたは?」
「あ、私はレイナ。お互い歳も近いみたいですし、呼び捨てとタメ口で大丈夫ですよ」
「じゃあ、私の方もそれで。
レイナはこの近くに住んでるの?」
「ううん。仲間と一緒にシンオウを旅して回ってるんだ」
「えっ、本当に!? 私もそうなんだよ!」
ワァオ! 同士だ!
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