01
某日・シンオウ地方コトブキシティ。
ジョーイさんから私宛ての電話が来ていると教えてもらい、フロントへと向かう。
電話の主は、カロスを旅しているフユカからだった。
フユカは年末年始をユイたちと過ごしたらしくて、とても楽しかったと話してくれた。
"それで翌日はユイをカロスに招待して、ポケモンバトルしたんだ"
「ポケモンバトル?
ユイが進んで試合を申し込むなんて珍しい」
"でしょ? 私も最初ビックリしたんだけどね。
今のままじゃダメだと思って、前よりも積極的に勉強するようになったんだって"
そうなんだ……。
ポケモンバトルもある意味ではコミュニケーションだから、良い傾向だと思う。
「そっかぁ。プラターヌ博士の研究所でタッグバトルしたのが懐かしいね」
"それ私も思ってたんだよね。またみんなでバトルしたいって!"
こっちは勇人も進化したし、幸矢はまだフユカたちと会ったことないから新メンバーでのバトルも面白いかも!
「レイナ、久しぶりだね」
後ろから声を掛けられたので振り返ると、こっちに向かって歩いてくるナオトの姿があった。
ナオトはテレビ電話の画面に映ったフユカを見ると、"ごめん、取り込み中だったかい?"と眉を下げた。
「大丈夫だよ、一区切りついたところだし。ねぇ、フユカ?」
"そうそう、気にしないで。
それより、ナオトも久しぶり! 元気だった?"
「お陰様でね。レイナもフユカも、元気そうで何よりだよ」
3人で電話越しの再会を喜びあったのも束の間、フユカが緑炎君に呼ばれていった。
真っ暗の画面になったのを確認して、私はナオトに向き直る。
「ねぇナオト、私良いこと思いついちゃった。ちょっと耳貸して」
「うん? 何だい?」
ナオトにヒソヒソと耳打ちすると、彼は"なるほど"と笑う。
「それは彼女にとっても良い経験になるだろうね。
僕で良ければ協力するよ」
「ありがとう、ナオト!
また後でフユカに電話しなくちゃ!」
とある人物の驚く顔が目に浮かぶようで、私たちはワクワクしながら部屋へと向かった。
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