08
璃珀さんの撮影会が終わったところで、再び擬人化した彼も混じえて紅茶を飲みながら談笑する。
紅茶はもちろん緋翠君の入れてくれたもので、ちょうど良い温度でとても美味しい。
「緋翠君、本当に紅茶入れるの上手だよね。
これなら何杯でも飲めちゃいそう」
「恐縮です。お口に合ったようで安心しました」
悠冬にわざわざアイスティーを用意してくれる辺り、気遣いのできる良い子だよねぇ。
緋翠君が言うには、碧雅君が冷たい飲み物しか飲まないからアイスティーも同時に作るようにしてるんだって。
悠冬も碧雅君も氷タイプだもんね。
「レイナちゃん、荷物の整理終わったよ」
あ、龍矢が戻ってきた。
「ありがとう、龍矢」
「どういたしまして。
……っと、君がレイナちゃんの友達?」
「は、はい! ユイっていいます!」
「そんなに畏まらなくて良いよ。気楽に、気楽に。
俺は龍矢、種族はオンバット。よろしく」
ユイが"オンバット"の単語に首を傾げる。
ポケモン図鑑を見せてあげると、"ドラゴンタイプなんだね"と言った。
「目がクリッとしてて可愛いねぇ、オンバットって」
「君ほどじゃないよ、ユイちゃん。
……君はレイナちゃんとは違う魅力があるね」
龍矢にグッと顔を近付けられて、ユイが"ふぇっ!?"と顔を赤くする。
その気持ち分かるよ、ユイ。私もそれされる度、めっちゃ恥ずかしいもん。
「ユイ、こいつドラゴンタイプって言ってたよね? 凍らせて良い?」
「ダメだよ! レイナんとこのポケモンなんだから!」
「龍矢君、あまりご主人を困らせないであげてくれるかな。
可愛い反応してくれるのが楽しいのは分かるけどね」
「大丈夫だよ、俺はレイナちゃん一筋だからさ。
将来的に付き合う予定だし」
「ふぁっ!?」
そんな予定無いよ、断じて!
いつもなら緑炎と一緒になって説教する白刃も、場所が場所ってこともあって強く出られないみたい。
「それなら良いけどね。
あぁ、俺もご主人一筋だから。そこは心配しなくて良いよ、ご主人?」
「ななな何のことカナ!?」
この2人すっかり気が合ってるみたいだけど、私とユイにとってはある意味要注意人物だね!
心臓もたないよ!
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