05
「絶対無理だよぉ……」
「そうは言ったって、引き受けた以上仕方ないでしょ」
聞き馴染みのある声が聞こえて来たのでそっちを振り向くと、項垂れながら歩いてくる女の子。
と、その隣にいる青い髪の青年とナナカマド博士。
あれって、ユイと碧雅君!?
何でユイがナナカマド博士と一緒にいるの!?
「ナナカマド博士、ご無沙汰しています」
「うむ。先日の電話でも言ったが、元気そうで何よりだプラターヌ君」
「って、あれ? フユカ!?」
私もユイも、思わぬ再会に目を見開く。
「おや、今日はコウキ君と一緒じゃないんですね。
久しぶりだね、ユイさん」
「お久しぶりです、プラターヌ博士!」
「コウキは、実家の方で急用が入ってしまってな。
偶然来ていたユイ君に代理を頼んだのだよ」
コウキ君っていう男の子が、元々来る予定だったのかな?
ふと、碧雅君の真っ青な瞳と視線がかち合った。
「フユカは何でここに? 学者の手伝いなんてしてたっけ?」
「私もユイと一緒で代理だよ。
水姉さんが熱出しちゃったらしくて、アレックスさんはその看病してるんだ」
「えっ、水恋さんが? 心配だね」
「うん。でも烈たちもいるし、大丈夫だと思う」
問題は私たちだよ……とため息をつくと、ユイの目からも光が消える。
知り合いがいるだけまだ心強いのかな。
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