02
あの後、研究所に戻ってきたプラターヌ博士に電話を引き継いで部屋に戻る。
「おかえりなさいまし、フユカ。電話はどちらから?」
「シンオウのナナカマド博士からだったよ。プラターヌ博士に用事だったみたい」
「フユカちゃん、シンオウのポケモン博士と面識あんの?」
「うん。シンオウに友達がいるから、その関係でね。
それに、ナナカマド博士はプラターヌ博士の恩師なんだって」
ナナカマド博士と会ったのは、プラターヌ博士と一緒にシンオウに行った時だったなぁ。
あの時は確か、悠冬の頼みでお花見しに行ったんだよね。
「レイナとユイ元気かなぁ? また一緒に遊びたい!」
「ナオトは最近、レイナともあまり予定が合わないみたいだし……。元気にしてると良いね」
ふと、真剣な顔をしている龍矢と目が合う。ど、どうしたんだろう?
「龍矢……?」
「まさか、俺のフユカちゃんが……。俺っていう男がいながら、他の男と仲良くしてたなんて!」
「ええっ!?」
ものすごい誤解! というか、ナオトとはまだ1回しか会ったことないし!
両手で顔を覆ってシクシクと泣くふりをする龍矢。そんな彼の頭に緑炎がゲンコツを落とした。
「あだっ!?」
「誰が、お前の、女だって?」
笑ったまま口角を引き攣らせた緑炎が部屋に入ってくる。
その後ろでは白刃が鬼神みたいな顔で龍矢を睨んでいる。怖いよ白刃。
「冗談だって。フユカちゃんのことは"これから"惚れさせるんだからさ。
なに、もしかして緑炎もフユカちゃん狙ってるとか?」
「……丸刈りにされてえのか」
"キャー、怖ーい☆"って悪ノリしながら部屋を出て行く龍矢。
そんな彼を誰も追いかけずにいると、"誰かノれよぉ"って言いながら戻ってきた。
しばらくして電話を終えたらしいプラターヌ博士も戻ってきた。
シンオウ地方での学会に向けての準備を一緒にすることになり、私はシンオウ行きの飛行機の予約を任されたのだった。
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