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年末某日――。

私はプラターヌ博士と一緒にシンオウ行きの飛行機を予約していた。

何故カロスを旅する私がシンオウへの飛行機を手配しているのか。

それは3日ほど前の夕方まで遡る。



その日、用事があってプラターヌ研究所を訪れていた私は研究所に届いた電話を取った。

博士は席を外していて、アレックスさんはフィールドワークのためにヒャッコクシティにいるからだ。

「はい、プラターヌ研究所です」

「む? おお、君だったのかフユカ君」

「ナナカマド博士!?」

電話の主はシンオウのナナカマド博士。

まだ1度しか会ったことのない私を覚えてくれていたみたいで、"元気そうで何よりだ"と言ってくれた。

"ところで、プラターヌ君はいるかね? 今度の学会の打ち合わせをしようと思ったのだが"

「プラターヌ博士は、席を外してます。10分ほどで戻ってくるって言ってましたけど」

"ふむ……タイミングが悪かったようだな。また後ほど電話すると伝えてくれると助かる"

「分かりました、確かに伝えます。……あれ?」

ナナカマド博士の背後に見覚えのある顔を見つけた。あの赤い髪は――

「紅眞君!」

"ん? おっフユカじゃん、久しぶりだなー!"

振り返ったその顔は、間違いなく紅眞君だった。

屈託のない笑顔でこっちに向かって手を振る愛嬌も相変わらずだ。

ナナカマド博士に"知り合いなのかね?"と聞かれたので、ユイとは友達だと説明した。

紅眞君がいるってことは、ユイたちもいるんだよね。久しぶりに会いたいなぁ。


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