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緋翠が淹れてくれた紅茶を飲みながら、デザートを楽しむ。

ザッハトルテというらしいこのケーキは、チョコレートのほろ苦さとモモンジャムの甘さが絶妙にマッチしていてとても美味しい。

笑理ちゃんはレイナからもらった貴重な1口を堪能して、ポフィンを食べるみんなの輪に入っていった。

水恋さんもフユカから1口もらっていて、とても嬉しそうに食べていた。

「ねぇレイナ、このケーキどこで買ったの?
通販とかしてるなら、お取り寄せして博士たちにも食べさせてあげたいなぁ」

「あ、それ私も気になる! これだけ美味しいと何回でも買いたくなるよね」

「このザッハトルテ、お店で買ったんじゃないよ。
昨日の夜に生地を焼いて、今朝來夢と一緒にコーディングしたんだ」

「えっ、ってことはname1#の手作り!?」

まさかの非売品だった! っていうか、クオリティ高くない!?

「初めて作ったから自信無かったけど、そう言ってもらえたなら概ね成功だね」

「成功どころか大成功だよ!
レイナがケーキ屋さん開いたら、常連になる自信しかない!」

レイナは昔からお菓子を作るのが趣味で、ケーキとかよく焼いてたんだって。

絶対パティシエになれるよ。だって美味しくてフォーク止まらないもん。

今日持ってきたポフィンもレイナのお手製らしくて、みんなが好きな味のポフィンを楽しんでいる。

「これ美味いなー。このキューッと来る酸味がたまんねぇ!」

「そんな酸っぱいのよく食べれるね。舌がバカになりそう」

「この緑のポフィン、気に入りました。程よい苦味がアクセントになっていて、とても美味しいです」

黄色いポフィンを食べる紅眞を横目に、ピンク色のポフィンをかじる碧雅。

その隣では緋翠が緑色のポフィンを上品に食べている。

甘いもの好きの笑理ちゃんがピンクのポフィンを食べてるから、碧雅は甘い系が好きなんだろう。

紅眞は見るからに酸っぱそうな黄色いポフィンを、ヒョイヒョイと口に運ぶ。

あと、緋翠が苦いものが好きなのは意外だった。

楽しい時間はあっという間に過ぎていってしまうもので、気が付くと空が夕焼け色に染まっていた。

フユカたちは夜の飛行機でカロスへ帰るらしく、買い物の時間を確保するために空港へ向かった。

残ったメンバーで片付けをしながら、楽しかったねと笑う。

そしてまたみんなで遊ぼうと約束し合ったのだった。


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