07



「さて、そろそろデザートにしようか」

最後の1口を飲み込んだところで、レイナがそう声を掛ける。

レイナは大きなボックスと、ケーキ屋さんの箱を取り出した。

笑理ちゃんが"待ってました!"と言いながらケーキの箱を受け取ろうとする。

でもその箱はヒョイと上に上げられてしまった。

「笑理には悪いけど、今日はこっち」

「ええっ!? あたし楽しみにしてたのにー!」

「仕方ないよ、笑理。フユカとユイに会うなんて想定外だったんだし」

「後で1口あげるから。そして焔、サンドイッチを食べる手を止めなさい」

「ふあ〜ぃ」

しゅーんとうなだれる笑理ちゃんに、何だか申し訳ない気持ちになる。

あのケーキの箱の中身が原因なんだろうけど……。というか焔君、まだ食べてたのか。

「誠士、フユカとユイにケーキ配ってくれる?」

「分かった」

誠士君が手渡してくれた紙皿を、お礼を言って受け取る。

お皿の上にはチョコレートでコーティングされた小さなケーキが乗っていた。

「わぁ〜、何かオシャレだし美味しそう!」

「うん、食べるのがもったいないよ!」

フユカがすかさずデジカメを取り出し、ケーキを写真に収める。

私も今度デジカメ買おっかな……。

ポケモンたちには、小さなお菓子が振舞われていた。

赤や青、緑と色とりどりで、マカロンに近いものを感じる。

「レイナ、それは何?」

フユカの疑問に、レイナは"ポフィンだよ"と返す。

木の実を使って作るポケモンのお菓子で、食べさせるとポケモンの毛艶やコンディションが良くなるんだって。

ちなみに、人間が食べても大丈夫らしい。

「ふーん、カロスでいう"ポフレ"かな」

ポフレ……カロスにはそんなお菓子があるのか。世界って広いなぁ。


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