03



所代わってシンオウ地方――

私は碧雅たちと一緒にヨスガシティを訪れていた。

私たちの……と言うより私の目的はただ1つ。

「見つけた! コンテスト会場!」

「これだけ大きな建物、見失う方がおかしいよ」

「ポケモンコンテストって、ジム戦とどう違うんだ?」

「ポケモンコンテストは、ポケモンの魅力を引き出して披露する大会だと聞いたことがあります。
パフォーマンスを行う1次審査を勝ち残ったコーディネーターが、トーナメント形式のコンテストバトルで順位を競うのだとか」

流石、緋翠は博識だなぁ。

未だにポケモンやバトルの勉強でヒィヒィ言ってる私とは大違いだよ。

「へー。パフォーマンスとか大変そうだなー」



『でも、とっても楽しかったよ!』

「急ピッチでパフォーマンス考えるこっちはしんどかったけどね」



「誰っ!?」

突然聞こえてきた声に驚いて振り返ると、そこにはレイナと笑理ちゃんの姿があった。

「レイナ! 笑理ちゃんも!」

「こんな所で会うなんて偶然だな! 元気だったか?」

「皆様、お久しぶりです」

「どうも」

「うん、久しぶり。ユイは、コンテスト見に行くの?」

「そうだよ。レイナは……もしかして出場!?」

私がそう聞くと"違う違う"と首を横に振った。

「私たちは"ふれあい広場"に行く予定なんだ」

"ふれあい広場"はヨスガシティの北側にある大きな公園で、自分のポケモンとのお散歩を楽しめる場所なんだそうだ。

街の人の間では、ポケモンたちとピクニックをするのがブームになっているらしい。

ちょっと楽しそう。

「あ、ねぇ! レイナ、今時間ある?」

「お昼までは時間があるし、大丈夫だよ」

「じゃあ一緒にコンテスト見ようよ!
レイナ、コンテスト経験者でしょ? 色々教えて欲しいな」

「良いけど……。私は別に、コーディネーターを目指してるわけじゃないよ?」

苦笑いしながらも快く承諾してくれるレイナは、本当に優しい子だと思う。

私はレイナの手を引いて、コンテスト会場へと足を踏み入れた。


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