02
それから1週間後。
私たちはミアレ空港でシンオウ行きの飛行機を待っていた。
『シンオウ地方、楽しみだね!』
『そうだね……』
緑炎と白刃も久しぶりのシンオウに思うところがあったみたいで、念入りに飛行機の時間や大まかなスケジュールをプランニングしてくれた。
白刃はどちらかといえば、"要所要所でどう護衛するか"に偏ってた気がするけど。
今日は博士の代わりにアレックスさんが見送りに来てくれている。
「フユカちゃん、水恋のことを頼むね。これが彼女のモンスターボールだよ」
「はい、大事に預かりますね」
アレックスさんからモンスターボールを受け取る。
そう、今回の旅行は水姉さんも一緒だ。
コンテストを見に行くと言ったら、アレックスさんに頼み込んで同伴を許可してもらったんだって。
(まぁ水姉さん、前にアローラに行った時も寂しそうにしてたしね。
それに……)
「フユカと他地方へ旅行だなんて夢みたいだわ!
思い切り楽しみましょうね、フユカ」
「うん、そうだね!」
こんなに嬉しそうな顔を見せられちゃったら、断る方が無理!
水姉さんにはいつも可愛がってもらってるし、そのお礼も兼ねて一緒に行くことになったんだよね。
ボールの中で烈がボソッと"うわ……"って言ってたのは、聞こえなかったフリをしよう。
"まもなく、シンオウ行き・トゲキッス便が参ります。
お乗りのお客様は、搭乗ゲートへお越し下さい"
『飛行機が来たな』
『そのようだ。姫、搭乗ゲートへ参りましょう』
「そうだね。それじゃあ行ってきます。
みんなにお土産買ってきますね!」
「ありがとう、楽しみにしているよ。気を付けて行っておいで」
水姉さんと飛行機に乗り込み、指定の座席へ座る。
久しぶりのシンオウに心を躍らせながら、私たちはカロスを飛び立った。
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