01


それはとある昼下がり。

雅と一緒にシンオウの旅行雑誌を見ていた私は、ヨスガシティが紹介されたページを見ていた。

「へぇ、ヨスガシティもオシャレな街だね」

「そうですわね。
"心が触れ合う場所"……。キャッチフレーズもとても素敵ですわ」

コトブキシティやソノオタウン、クロガネシティにハクタイシティ。

カロスとは違った風景の写真を見るたび、シンオウに遊びに行った時のことを思い出す。

(レイナとナオトとユイ、元気かなぁ?)

シンオウにいる3人の友人に想いを馳せていると、後ろから水姉さんに声を掛けられた。

「2人とも、何を読んでいるの?」

「水恋、ごきげんよう。シンオウ地方の旅行雑誌を見ていましたの」

「アレックスさんに頼んで貸してもらったんだ」

「あら、そうだったの。……シンオウには何度か行ったことがあるのよね?
私はカロスから出たことが無いから、少し羨ましいわ」

そっか。メガシンカ研究のためのフィールドワークだから、他の地方に行くことが無いんだよね。

「今度アレックスさんに頼んでみたらどうかな?
たまには息抜きも大事だよ、って」

「そうね……そうしてみようかしら。
その時はもちろん、貴女たちも一緒に行きましょう」

「えぇ、楽しみにしていますわ」

水姉さんも混ざって雑誌を読み進めていく。

私たちの視線が、ある1枚の写真に釘付けになった。



「この女の子……もしかしてレイナ?」



そこには水色のドレスで着飾ったレイナが写っていた。

髪型がいつもと違うから人違いかと思ったけど、パチリスとランクルスも写っているから間違いない。

「あら、本当。笑理と來夢も写ってるわね」

「あ、そういえば……」

前に3人がカロスに来た時、ポケモンコンテストの優勝者だってアレックスさんが言ってたっけ。

カロスではポケモンコンテストが一般的ではないから、見てみたいねって話した記憶がある。

「ポケモンの魅力を引き立て、披露するそうですわ。
とても興味深いです」

お、雅が食い付いた。

やっぱり女の子だからなのか、ジム戦とは違う華やかな舞台に心惹かれるものがあるのかな。

私もコンテスト見てみたいし、緑炎に聞いてみようっと。


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