07
私たちのバトルは接戦が続いた。
お互いのペアを上手くフォローし、攻める時は一気に攻める。
両者ともに譲らない、一進一退の攻防が繰り広げられた。
「緋色、碧雅にアイアンヘッドだ!」
『任せな!』
「そうはさせないよ! 白刃、火炎放射!」
『承知!』
白刃君の火炎放射が緋色君に直撃する。
碧雅がボソッと"うわ……"って言ったのが聞こえた。
「來夢、白刃君にドレインパンチ!」
『うん!』
「あわわ……碧雅、白刃君の前でバリアー!」
えっと確か、格闘タイプは悪タイプに有利だったはずだから……これで良いんだよね?
「わぁ、間一髪! ありがとうねユイ、碧雅君」
『……別に』
ちょ、碧雅……その素っ気ない態度はやめなさい。
「2人とも、なかなかやるね」
「ナオトたちの方こそ。……白刃、そろそろいけるかな?」
『問題ありません。どうぞご命令を、姫』
「「「???」」」
フユカと白刃君、何するつもりなんだろう?
疑問符を飛ばす私たちを前に、フユカは大きく深呼吸をした。
「お願い白刃、力を貸して」
フユカがそうつぶやくと同時に、眩しい光がフユカと白刃君を包む。
何何、何事!?
「これが私たちの、絆の力……! 白刃、"メガシンカ"!」
『……姫の御心のままに、御身を守る刃となりましょう!』
目を開けていられないほどの激しい光が収まる。
そこには、背中に純白の翼を生やした白刃君が立っていた。
「姿が、変わった……!?」
「え、白刃君……だよね?」
「もう何がなにやら……」
当の本人であるフユカは、私たちの驚く様子を見て満足そうに微笑む。
「カロス地方で確認されてる、メガシンカだよ。
一部の限られたポケモンに発見例があって、強い絆で結ばれたトレーナーとポケモンにだけ使うことが出来るんだって。
プラターヌ博士の研究分野なんだよ」
メガシンカ……。
確かに、シンオウじゃ見たことがない。
フユカの言ってた"面白いもの"って、これのことだったんだ。
「さぁユイ、一気に畳み掛けるよ!」
「う、うん!」
「何か仕掛けてくるつもりか……。レイナ、いけるかい?」
「大丈夫。私も來夢も、まだまだやれるよ!」
3人とも、堂々とバトルしててすごいなぁ……。
私ももっとポケモンのこと勉強して、あれくらい自信持ってバトル出来るようになりたいな。
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