05
「へぇ、ユイはシンオウから来たんだ」
「うん。旅行雑誌でミアレシティが特集されてて、息抜きも兼ねて旅行に来たんだ」
あれから私たちは直ぐに意気投合した。
歳も近いと言うことで気軽に接してくれて良いと言ってくれて、何とフユカもポケモンの言葉が分かるという。
「シンオウかぁ……」
「フユカは、シンオウに来たことあるの?」
「うん。シンオウに友達がいるから、1度ね」
それから私たちは会話に華が咲いて、気が付いた頃には空がオレンジ色に染まっていた。
「ユイ、楽しいのは分かるけどいつまで話し込んでるの。
そろそろ空港に向かわないと飛行機に乗り遅れるよ」
碧雅にせっつかれて初めて時計を見る。
飛行機の時間まで残り30分程に迫っていた。
「え? ……わぁ、もうこんな時間!?
ごめんフユカ、私たちもう行かなきゃ!」
「こっちこそ長話してごめんね。空港まで送ってあげるよ。
ここからなら15分で着くと思う」
フユカの案内で無事にミアレ空港まで辿り着いた私たち。
フユカがいてくれて本当に助かった。
道案内が無ければシンオウに帰れないところだよ……。
「フユカ、今日は色々ありがとう。とっても楽しかったよ」
「私の方こそありがとうね。時間ができたら、いつかシンオウに会いに行くよ」
「うん、絶対にまた会おうね!」
飛行機からミアレシティを見下ろしながら、いつか来るだろう再会の日を想って胸を踊らせるのだった。
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