06

あれからすっかり日も落ちて、空に1番星が光り始めた頃。

私たちはユウヤ君と一緒にキャンプをして過ごすことになった。

みんなで協力してテントを張って、カレーを作るための道具も用意する。

擬人化した碧雅たちを見てユウヤ君がすごくビックリしてたけど、凪君たちはまだしないのかな? 瑞貴君は"あらやだ、イケメン揃いじゃない!"って楽しそうにしてたけど。

ユウヤ君は少しだけ口調がぶっきらぼうだけどとても気さくな人で、つい最近にトレーナーになったばかりなんだそうだ。

ガラルのイベントであるジムチャレンジにもエントリーしていて、数日前の開会式に参加したところなんだって。

しかもエントリーするために必要な推薦状は、たまたま縁があってチャンピオンのダンデさんって人から貰ったんだとか。え、すご……。

私も碧雅たちと出会った時のことや、今6番目のジムに挑戦するために準備してることを話した。

"じゃあトレーナーとしてはユイの方が先輩だな"ってニッと笑うその表情は、The・男子高校生って感じ。

同じ年頃の……それも男の子の友達は初めてだから、なんか新鮮だなぁ。

それから、なんと彼自身もトリッパーでポケモンの言葉が分かるんだって!

"私もそうなんだよ!"って言うと、驚いた顔をしながら"へぇ、そうなのか"って返ってくる。

焚き火を囲んでのカレーパーティーを楽しみながら、色んな話題に花が咲く。いつの間にか、空は満天の星空になっていた。

あとユウヤ君の作ったカレー、すっごく美味しかった。

「ごちそーさん。
紅眞、お前料理得意なんだな。すげぇ美味かった」

「そりゃ良かった。でもユウヤのカレーも美味かったぜ!」

「そうだね。ユウヤくんはよく料理をするのかい?」

「俺の場合は親が仕事で家空けることが多くて、自分で作るしかなかったってだけで……。煮物や揚げ物はできねぇけど、まぁそれなりにはな。
……と、そうだ。ユイ、お前マシュマロ好きか?」

「えっ? うん、好きだけど……どうしたの?」

「ここだけの話、表面を軽く炙ってビスケットに挟むと美味いんだが……。デザートに食うか?」

ユウヤ君がいたずらっ子みたいに笑いながら、マシュマロの袋を取り出す。

マシュマロはそのまま食べることが多かったし、初めて聞く食べ方にすごく興味が湧いた。

「えっ、何それ!? 食べたい!」

『ご主人、僕も食べたーい!』

『僕も……!』

「ユウヤちゃん、ぼくもたべていい?」

『あら、良いわね。今度はマシュマロパーティーと洒落こみましょ!』

「マシュマロを炙る……。ホットココアに浮かべることはありますが、そのような食べ方が……」

各自ユウヤ君からマシュマロを刺した串と、ビスケットを受け取って焚き火で炙る。

表面に少し焼き色が付いたところでビスケットに挟んで、はむっと1口。

サクサクのビスケットと、とろっとろのマシュマロの2つの食感が私たちの口を楽しませてくれる。まぁ何が言いたいかと言うと……すっごく美味しい。

でも碧雅は相変わらず焼き菓子は食べないみたい。その代わり明日アイス食べるんだろうけどね。


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