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「着いたー! エンジンシティも久しぶりだね!」



飛行機で移動すること数時間。私たちはガラル地方・エンジンシティの空港に降り立った。

宿を取るためにスボミーインに行ってみたけど、今はジムチャレンジ? の関係で部屋が埋まってるらしかった。

『おい、ロン毛。"ジムチャレンジ"というのは何なんだ?』

『ジムチャレンジは1年に1度開催される、ガラル地方のイベントだよ。
ポケモンリーグ関係者から推薦状を貰ったトレーナーだけが、ガラル各地に点在するポケモンジムに挑めるんだ』

ちなみにガラルではジム戦(もといポケモンバトル)が一種のエンターテインメントになってるらしい。

スタジアムは大勢の観客に溢れて、バトルの様子も世界中でテレビ放送されるんだって。プレッシャーすごそう……。

『ってなると、やっぱりガラルにも四天王っているのか?』

『いえ、ガラルに四天王はいないと聞いたことがあります。
なのでガラルのジムを全て制覇したトレーナーは、チャンピオンカップというトーナメントを勝ち抜いていくそうですよ。
チャンピオンカップで優勝すれば、晴れてチャンピオンと戦えるとか』

『それは良いけど、今回の宿はどうするの。
ホテルが満室ならポケモンセンターの宿泊部屋も空いてないんじゃない?』

確かに……。さっき受付の人も"この時期はジムチャレンジャーと観光客が殺到して忙しい"って言ってた。

ホテルで部屋を取れなかった人たちが、ポケモンセンターに流れていってる可能性は十分にあるよね。

ど、どうしよう……。

『ユイちゃんだいピンチ?』

『ポケモンセンターでキャンプ道具を借りるしかないね。
ガラルのトレーナーはこういう時のために持ち歩いているし』

『ってことは、今回は野宿かー』

「ま、まぁそれも良い思い出になるよね! キャンプなんてめったにやらないし!」

『ところでマスター、キャンプ道具を借りた後はいかがなさいますか?』

「うーん、特にどこ行くか決めてなかったもんね。どうしよっか……」

『行き先が決まってないなら僕に付き合え、ちんちくりん』

ガラルの旅行雑誌を見ていた晶が、視線を私の方に向ける。

どこか行きたいところがあるのかな?

『あっちゃん、どこかいきたいの?』

『ワイルドエリア……。そこには強いポケモンもいると聞いた。
バトルのトレーニングにはうってつけだろう』

『な、何も他の地方に来てまでトレーニングをせずとも……』

『ワイルドエリアか……。確かにガラル地方と言えばと言われたら、ジムチャレンジと同じくらい話題に上がる場所だね。
たくさんのポケモンが生息しているから、シンオウでは見られないポケモンも見られると思うよ』

シンオウで見られないポケモンと言われて、私の好奇心に火がつく。

前回は街の観光がメインだったし、たまにはフィールドワークも良いかも!

「じゃあそのワイルドエリア? に行ってみようか。
その前にキャンプ道具借りに行かないとね」

『あぁ、そうそう。ワイルドエリアはとても広いから、迷子にならないように気を付けてね』

「えっ、そんなに広いの?」

『ご安心を、マスター。いざとなれば私がテレポートでエンジンシティまでお連れしますから』

ひとまずキャンプ道具を借りるべく、エンジンシティのポケモンセンターに向かう。

初めて見るかもしれないポケモンたちとの出会いに、ワクワクしている自分がいた。


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