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ミオシティの潮風を浴びながら、緋翠の入れてくれた紅茶を飲む。

ちょうど良い温度で入れられたそれは、飲むと体をほぐしてくれる気がした。

「お味はいかがでしょうか、マスター?」

「うん、とっても美味しいよ。この紅茶、もしかしてレオンハルト邸で教えてもらったやつ?」

「はい。フユカ様に教えていただいた、モモンのフレーバーティーです」

フワリと緋翠が微笑むのを見ながら、フレーバーティーをもう1口。

モモンの実の華やかな甘さが鼻腔をくすぐった。すごく美味しい……。

ホゥ……と小さく息を吐くと同時に、ノックの音が耳に届く。

"失礼します"という声と一緒に部屋へ入ってきたのは、ジョーイさんだった。

「ユイさん、あなた宛にレイナさんという方から電話が来ていますよ」

「レイナから? すぐに行きます!
緋翠、ちょっと留守番お願いね」

「かしこまりました」

エントランスにあるテレビ電話に向かい、保留ボタンを押す。

真っ暗だった画面に、レイナの姿が映し出された。

《ユイ、久しぶり。いきなり電話してゴメンね》

「久しぶり、レイナ! 全然大丈夫だよ。
で、今日はどうしたの?」

《実はね……ガラル地方の旅行券が当たったんだけど、引き取り先を探してるんだ。
フユカはプラターヌ博士のお手伝いで行けないみたいだし、ユイはどうかなって》

ガラル地方って、前にフユカとシャーリーと一緒に行った場所だよね。

スパイクタウンでネズさんに会って、シャーリーがエンジンシティのカフェでマホミルをゲットしたんだっけ。

元気にしてるかなぁ……って、今それは置いといて。

「でもせっかくレイナが当てたチケットでしょ? ナオトと一緒に行ってきたら良いのに」

《それが、今回貰ったチケットが1人分なんだよね。
私が1人行くのもなんか味気無いし、ユイさえ良ければ貰ってくれないかな?》

そこまで言われてしまっては否とは言えない。ありがたくレイナの言葉に甘えさせて貰うことにした。

実はガラル地方、また行きたいなって思ってたんだよね。

《良かった! じゃあ明日にでも郵送するよ。
送り先はどうしたら良い?》

「しばらくはミオシティにいるから、そこのポケモンセンターに送ってくれたら良いよ」

改めてチケットのお礼を言って、通話を終える。

バトルフィールドから戻ってきたみんなにチケットのことを話すと、全員乗り気みたいだった。

私もとっても楽しみ。新しい出会いとかあると良いな!


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