02




《えっ、コンテストパフォーマンス!?
ま、待ってユイ! 前にも言ったけど、私はコーディネーターを名乗るにはド素人だよ!?》

「いきなりこんな話して悪いとは思ってるよ。でも、レイナしか頼める人いなくて……!」



私が電話を掛けたのは、"あの子"……もといレイナ。

彼女はヨスガシティのコンテストに出場した経験がある。初参加……しかもダブルパフォーマンスで優勝という華々しい成績も残してる。

私が付け焼き刃でするよりは、実践経験のあるレイナの方が適役だと思ったんだけど……ちょっと話が急過ぎたかな。

「実は私の友達がね、生でコンテストを見てみたいって言ってて……。
でも私はコンテスト出たことないし、ヒカリちゃんは忙しいだろうし……。
それにその子、ちょっと事情があってリッシ湖付近の街しか行けないんだよ」

《なるほど、ヨスガシティまで行くのは難しいんだね……》

うーん……と頭を悩ませるレイナを画面越しに見ながら、彼女の返事を待つ。

相当悩んでいるのか、返事はなかなか返ってこなかった。

ダメ元で電話したようなものだし、レイナも忙しいのかもしれない。

たとえ付け焼き刃でも、自分でやるしかないか……。

「ゴメンね、レイナ。やっぱり私、自分で……」

《1週間……》

「え?」

レイナがポツリと呟いたその言葉に、思わず疑問符が浮かぶ。

《1週間……いや、せめて3日は猶予くれると助かるかな。
それまでには新しいパフォーマンス考えて練習しておくから》

「ほ、本当にやってくれるの!?」

《友達の頼みなら断れないしね。なんとかしてみるよ》

「ありがとうレイナ!
……でも、優勝した時ので良かったんだよ?」

《あれは前に見てもらったし……。
パフォーマンス考えるのは大変だけど、苦手って訳じゃないから。
じゃあ3日後にリッシ湖でね。お友達にもよろしく言っておいて》

「分かった。レイナ、ホントありがとう!」

画面が暗くなったのを確認して、急いでリッシ湖に戻る。

碧雅たちに話すと、みんなレイナたちに会えるのを楽しみにしてくれたみたいだ。

ティナちゃんも初めてコンテストパフォーマンスを生で見られるとあって、目がとてもキラキラしている気がした。

ギャラドスさんたちも"お嬢に新しい女友達できるのか!"って言ってるから、歓迎はしてくれるみたい。

私もなんかすごく楽しみになってきた!


[*prev] [next#]






TOP
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -