04

シンオウ行きの飛行機に乗り、ヨスガシティの空港に降り立つ。

コトブキの空港で見たポケモンたちとはまた違う子たちを時々見かけた。

ユイを待ちながらポケモン図鑑で色々と調べていると、どうやらこの街はゴーストタイプのポケモンたちが多いらしい。

ノモセ大湿原では見られなかったポケモンたちを見られるのは良いけど、街中である以上彼らにはトレーナーがいる訳で。

コトブキと同等か、それ以上の人の多さにため息をついた。

「どうしたのじゃハル? 先程からため息ばかりではないか」

「……何でもないよ。長時間移動だったから、少し疲れたのかも」

『ほとんど座ってただけだろ。随分と貧弱だな』

「フン、そう言う貴様もずっとボールに引きこもっているだけではないか」

「長時間同じ姿勢っていうのも、それはそれで疲れるものだよ」

「あっ! おーい、ハル!」

聞き覚えのある声がしたのでその方向を見れば、ユイがこっちに向かって歩いてくるのが見えた。

前回同様、緋翠が従者のように彼女について歩いている。

そして私たちの目の前まで来ると、恭しくお辞儀をした。

「ハル、久しぶり! 元気にしてた?」

「そういうアンタは、相変わらず賑やかだね。
緋翠も久しぶり。他のみんなはどうしてるの?」

「お久しぶりです、ハル様。
碧雅たちは先に料理ハウスで待機してもらっています。
では早速ですが、私たちも参りましょうか」

「では右はハル、左はユイと手を繋ごうではないか。
メルヘン従者はわらわたちの後ろから、寂しくついてくるが良い」

「翠姫、緋翠を仲間外れにしちゃダメだよ」

『損得無しで人間に従順になるヤツの気が知れん』

紫闇がボールの中でボソリとぼやくのが聞こえてくる。

でも緋翠は気を悪くする訳でもなく、"そうですね"と微笑んだ。

「私を助けてくださったマスターをお側でお守りしたいというのもありますが、種族柄というのも少しある気がするのです。
私たちラルトス系統は、"誰かを守るために生きる"という傾向が強い種族。
こうしてマスターのお役に立てることが、私にとってこの上無い幸福ですから」

(誰かを守るために生きる種族、か……)

緋翠の言葉を、脳内で反芻する。

ラルトス系統……特に最終進化系のサーナイトとエルレイドは、野生での生態がほとんど分かっていないと聞く。

世界中を探せば野生の子もいるんだろうけど、確認されている個体のほとんどはトレーナーのいる子らしいし。

良く言えば人間社会に適応した……人間と歩むことを選んだ種族なんだろう。

でもそれは、"人間"という生き物への依存度が高いことへの裏返しでもある。

とはいえ……。

(私が口を出すのは筋違い……だよね)

緋翠が望んでやっていることなんだし、私がとやかく言うべきことではないんだ。



[*prev] [next#]






TOP
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -