05
「あっ、レイナたち戻ってきたよ! ジェットコースターどうだった?」
「楽しかったー! 時間に余裕があったら、もう1回乗りたいくらいだよ!
ねっ、笑理?」
「うん!」
待機していたメンバーと合流し、遊園地のゲートへと向かいながら談笑する。
ホテルへ続く道を歩いている途中で、緋色がナオトの脇を肘で小突いた。
「おいナオト、どうだったよ。"レイナと一緒に乗ったジェットコースター"は?」
「……分かってて聞いているだろう?」
「ご、ごめんねナオト。まさかジェットコースター苦手だったなんて……」
「君が謝る必要は無いよ。君と一緒なら大丈夫かもって、僕が変な意地を張ったのが悪いんだから」
「とか言いつつ、本音はどうなんだよ?」
「絶叫マシーンが苦手だって知られて、幻滅されるのが怖かったんだ……」
「ほれ見ろ」
さっき誠士も言ってた通り誰にだって苦手な物はある訳だし、絶叫マシーンが苦手だからって彼を嫌いになることはないんだけど……。
男の人のプライドって、そういうものなのかな?
「まぁ実際、あの客の中で1番叫んでたのは小僧だったな」
「ハイパーボイスでも使ってるのかって感じだった……。ぁふ……」
「俺がポニータだった頃に乗った時も、すんごい声で叫んでたもんね」
「お前たち、面白がってないか?」
「「「「正直すげぇ/すごく 面白い」」」」
緋色、澪、銀嶺、天馬の4人に口を揃えてそう言われ、ナオトはぐぅの音も出ないみたいだった。
基本眠そうな顔しかしない澪も珍しく目尻を下げ、反対に口角が緩やかに上がっている。
そうこうしているうちにホテルへ到着し、宿泊部屋へと向かう。
食事の後は各々が入浴を済ませ、自分のモンスターボールへと戻っていった。
そして私とナオトはダブルサイズのベッドに潜り、お土産に何を買おうか話しながら静かに夢の中へと落ちていった。
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