03
「着いたね、ライモンシティ」
「あぁ、そうだね。長時間の移動だったし疲れていないかい、レイナ?」
「大丈夫だよ。ありがとうね、ナオト」
飛行機に乗って空の旅を満喫しながら到着した、イッシュ地方・ライモンシティ。
まずは荷物を置くためにホテルへ向かい、フロントで鍵を受け取る。
確かツインで予約したはずなんだけど……私とナオトを見たホテルのスタッフが変な気を効かせたのか、ダブルの部屋に通された。
ライモンシティはイッシュ地方の中でもトップクラスに発展しているらしく、窓から見える景色は見事なシティビューだった。
あとホテルのベルボーイさんに聞いた話だと、この町のジムリーダー・カミツレさんは電気タイプのジムリーダーなんだそうで。
普段はモデルの仕事をしながらジムリーダーも兼業してるんだって。
シンオウだとヒョウタさんやトウガンさん、マキシさんがそうだったけど、ジムリーダーって副業してる人もいるんだね。
……いや、マキシさんはプロレスラーの方が本業なんだっけ?
「ねぇねぇレイナ! 早く行こうよ!」
「ちょっと待ってね、笑理。えっと……お財布良し、ハンカチとティッシュ良し。
あと焔と勇人、合言葉は?」
「「食べる量は腹3分目」」
「よろしい」
2人との間で決めた合言葉を復唱してもらう。
そんな様子を見ながら澪があくびを零した。
「ふあ〜……ぁふ……。もはやお決まりだよね、そのセリフ……」
「あの2人の食欲に合わせていたら、持ち合わせがいくらあっても足りないからな。
それにテーマパークやイベントの露店は、商品の金額が高めに設定されているパターンも少なくない。奥様が釘を刺すのもやむを得ないだろう」
「誠士の小僧のヤツ、緋色の小僧から節約術教わるまで、よくやりくりしてたな」
「おーい聞こえてっからなー、そこ3人」
「だって美味しいもの食べると止まらなくなっちゃうんだもん」
外食するたびに財布に寒波吹かせる訳にはいかないからね。
メイちゃんとお兄ちゃんとナナカマド博士、ヒカリちゃんたちにもお土産買わないといけないし!
「……うん、これで大丈夫かな。みんなお待たせ、準備できたよ」
「よし、じゃあ行こうか」
ぞろぞろと連れ立って遊園地へと続く道を歩く。
私自身もみんなと同じで、初めて訪れる地方ということもあってワクワクが止まらないのだった。
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