05
「おーい、ユイ」
「あ、竜牙! 欲しいCDあった?」
「いや、あったのはあったんだけど売り切れててさ。
そっちはどうだった? 欲しい服とかあった?」
「あるにはあったんだけどねー。
財布は蒼陽が持ってるから、とりあえず見ただけ」
あー、あの服可愛かったなぁ。
後で蒼陽に頼んで買ってもらおう。
「そういえば、私たちが最初に待ち合わせ場所にいるのって珍しくない?」
「そうだなー。
幸夜は書店だからともかく、蒼陽は食料調達だから最初に集合しててもおかしくなさそうだよな」
開店セールやってるから、レジが混んでるのかな?
「あ、戻ってきた。
……何であいつら、タツベイ連れてんの?」
「え?」
本当だ。タツベイがいる。
「マスター、戻りました」
「うん、おかえり。
……って言いたいところだけど、タツベイを連れてる理由を説明してくれる?」
かくかくかくしかじかじか。
「ふーん。連れとはぐれた、ねぇ」
「ええ。
流石に1匹で置いてけぼりにするのも気が引けるので、幸夜とも相談して合流してから全員で連れの方を探そうということにしたんです」
「そうだったんだ。
じゃあ、早く探さないとね。君のトレーナーも心配してるだろうし。
私はユイ。それと、こっちがハクリューの竜牙。
よろしくね、タツベイ君」
『ユイに竜牙……。っし、覚えた!
俺はタツベイの勇人だ。よろしくな。
……っつっても、ユイは人間だから俺の言葉は分からねぇか』
「ううん。分かるよ」
『マジで!?
レイナ以外にもいるんだな、ポケモンの言葉が分かる人間』
「まぁ、あんまりいないみたいだからね。
……って、今レイナって言った?」
『ああ。俺のトレーナーの名前だ』
マジですか!?
「じゃ、じゃあ……勇人ってレイナんとこの子?」
「「「は!?」」」
あ、綺麗にハモったな。珍しい。
「勇人! そんな大事なことを何で早く言わないんですか!」
『え?』
「え? じゃねえ!
おいユイ! ポケギア持ってんだろ?
レイナに連絡入れてくれ!」
「わ、分かった!」
まさかレイナのポケモンだったなんて!
そんなことを思いながらもレイナのポケギアの番号にダイヤルした。
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