01
コンコンコン−−。
「はーい?」
突如ノックの音に、ジムバッジを磨いていた手を止める。
席を立ってドアを開けると、そこにはエマさんが立っていた。
「エマさん? どうかしましたか?」
「お取り込み中、申し訳ございません。
フユカ様に折り入ってご相談がございまして」
「相談?」
こちらへどうぞと言うエマさんについて行くと、たどり着いたのは食堂。
中へ入った私を出迎えたのはシャルルさんとニコラさん、そしてクロエさんだった。
「これはフユカ様、ご足労いただき申し訳ございません」
「いえ、私は大丈夫ですけど……。それよりも、何かあったんですか?」
「実は、シャーリーのことなのですが……」
クロエさんが端的に話してくれた内容はこうだ。
シャーリーは人見知りが激しく、同年代の友達が少ない……というか私しかいない。
人脈作り……つまり"友達を作る"ことが、彼女に何か良い影響を与えてくれるのではないか。それが彼らの見解だった。
「アイツも最初に比べりゃ変わってきてはいるんだが、まだ改善されたとは言い切れねぇ。
だから、姐さんの力を借りてぇんだ」
「もちろん私たちも協力は惜しみません。
お申し付けいただければ、精一杯お手伝いいたします」
「……分かりました。何か良い方法が無いか、考えてみますね」
"善は急げ"と、私は食堂を後にした。
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