06

ホテルで1泊した翌日、私たちは待ち合わせ場所でもある公園に向かっていた。

天気予報では今日1日晴天。雨が降らなくて良かったよ。

「着いたー! 飲み物でも飲みながら待ってようか」

「待つ、って誰をだ?」

「フッフッフー、よくぞ聞いてくれました紅眞!
実は昨日、新しい友達ができたんだ! みんなに会わせてあげたくて、これから会う約束してるんだよね」

「へぇ、もう新しい友達ができたのか。どんな子なのか気になってくるね」

「それは会ってみてのお楽しみだよ。強いて言うなら、晶にちょっと似てるかも」

「ってことは捻くれ者なんじゃん、そいつ。よくそんなやつと友達になんてなれたね」

「どういう意味だ、雪うさぎ」

うんうん、まだ会ってないあの子に興味を持ってくれて私は嬉しいよ。

でも、約束の時間になってもハルは現れない。

どうしたんだろう、何かあったのかな?

「ユイ、そいつ本当に来るの? 約束の時間とっくに過ぎてるんだけど」

「友達などと思っていたのは、ちんちくりんだけだったんじゃないか?」

「そ、そんなことないもん! ……たぶん」

晶の言葉につい反論したけど、やっぱり距離の詰め方を間違えたのかな。

ハルが本当に人間不信なんだとしたら、グイグイ来られるのは嫌いだろうし……。

どうしよう。サンヨウジムに行きながら探してみようか。

でも今日の待ち合わせを迷惑に感じていたなら、私の方から会いに行くなんてもっと迷惑だよね……。

「しつこい! わざとぶつかってきたのはお前たちの方でしょ!」

不安を頭の中でグルグルさせていると、どこからか大きな声が聞こえてきた。

男女が言い争っているようなその声の中に、どこか聞き覚えのある声が混ざっている。

あの声……間違いない、ハルだ! やっぱりトラブルに巻き込まれて遅くなってたんだ!

「今の声……! みんな、行こう!」

何か嫌な予感がして、みんなを急いでボールに戻す。

声のする方に向かって、ひたすらに走った。


[*prev] [next#]






TOP
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -