04


「ふぅ。これくらいあれば、しばらくは持ちますかね」

食料が大量に入ったカゴを手に持ち、レジへと並ぶ。

精算を済ませて待ち合わせ場所に向かおうとすると、ふと1匹のタツベイがいるのが見えた。

彼の話によると、すぐ戻るつもりで書店コーナーを離れたつもりが、歩き回っていたら道が分からなくなったらしい。

それで書店まで案内することになったのだが……。

『あれ?』

「どうしました?」

『いねぇ。書店にいるはずなんだけどな』

私と勇人が書店に到着した頃、彼の連れはすでにいなかった。

おそらく、勇人がいないことに気づいて探しに行ったのだろう。

「蒼陽、買い物終わったのか。
……どうしたんだ、そいつ」

「ああ、幸夜。どうやら迷子になってしまったようで。
書店に連れの方がいると言うので来てみたのですが、入れ違いだったようですね」

『蒼陽、知り合いか?』

「ええ、彼はアブソルの幸夜。私の連れです。
ところで幸夜、今の時間は?」

「待ち合わせ時間まであと30分だ」

「30分……。
彼を1人で置いていくのは、少々かわいそうですね。
仕方ありません。一先ず彼を連れて待ち合わせ場所に行きましょうか。
その後は、皆で連れの方を探しましょう」

「そうだな。お前……名前とかあんのか?」

『ああ、勇人ってんだ。よろしくな、幸夜』


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