03

「着いたー、ミアレシティ」

朝早い便に乗って、ミアレ空港に降り立った私たち。

改札を抜けると、フユカとアレックスさん、白刃君が待ち合わせ場所にいるのが見えた。

「あ、ユイ! いらっしゃい!」

「長旅お疲れ様、ユイちゃん」

私が歩いてきていることに気付いた2人が声を掛けてくれる。

合流すると同時に手に持っていたシンオウのお土産を渡すと、お礼の言葉と一緒に受け取ってくれた。

「姫、私がお持ちしましょう」

「うん、ありがとう白刃」

"でも、気にしなくて良かったのに"って2人とも笑ってくれたけど、今回は押し掛ける形での訪問だからそういう訳にも行かない。

「じゃあ早速だけど、レオンハルト邸に向かおうか」

「はい、お願いします」

「お世話になります」



アレックスさんの運転する車で移動すること、約1時間。私たちはレオンハルト邸に到着。

前回とは違う執事さんとメイドさんがお出迎えしてくれて、彼らにもお土産を渡してバトルフィールドへと向かった。

全員が自分の手持ちの子を出して、一気に大所帯感が出てくる。

アレックスさんとこのメンバーも改めて紹介してもらった。

えっと……キュウコンの孝炎さんに、シュシュプの彩ちゃんに、エアームドの鋼刃君。そして、グレイシアの氷雨君。よし、覚えた。

碧雅をいつも見ているからか、氷雨君と話していると何か新鮮だな。

そんなことを思いつつ碧雅を見ると、"何見てるの"とジト目で返された。

一通り紹介を受けた後、晶が烈さんに近付いていく。

「お前か。メガシンカを扱うリザードンというのは」

「そういうお前は、フユカの言ってたチルタリスだろ?
随分腕に自信があるみたいじゃねぇか」

「あなた……! 前にフユカのこと"平民"とか言った男ね!」

「本人が否定しなかったのだから間違いでは無いだろう、狂信者2号」

「ブフッ!」

烈さんが思い切り噴き出し、言い合いを始めた晶と水恋さんを尻目に笑いをこらえている。

でもついに堪えきれなくなったのか、今度はお腹を抱えて笑いだした。

「きょ、狂信者2号……! ……フ……ッハハハハハ!
お前……そのチルタリスにそんな風に呼ばれてんのかよ?」

「あら……彼の前にあなたから高圧洗浄してあげても良いのよ、烈?」

「もー、烈、水恋! ケンカはダメだよ!」

「だが、言い得て妙ではないか。水恋が2号なら、1号は白刃といったところであろうよ。
そなたもそう思わぬか、鋼刃?」

「……ノーコメントで頼む」

ヒーヒーと爆笑する烈さんに、目の笑ってない笑顔で握り拳を作る水恋さん。

……と、そんな2人を窘める彩ちゃんに、晶のネーミングセンスに1人納得する孝炎さん。……うん、カオスだ。

賑やかな空気の中、本来の目的を忘れたまま時間が過ぎようとしていた時だった。


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