05




「プハーッ! 楽しい!」

「うん! やっぱ海ってサイコー!」



海の中で暮らすポケモンたちを観察しながら、海水浴を楽しむ。

璃珀が穴場スポットを調べてくれたからか、誰にも邪魔されることなく海を満喫している。

「カロスにいないポケモンとかいた?」

「んー、カロスの海にもいる子がほとんどだったかなぁ。
海ってとっても広いのに、繋がってるんだなって感じたよ」

カロスにはどんな水タイプの子がいるのか聞いていると、璃珀がこっちへ歩いてくるのが見えた。

龍矢君は借りてきたビーチパラソルを片付けている。

「ご主人、フユカさん。そろそろお昼だから、ポケモンセンターに戻ろうか」

「えっ、もうそんな時間!? ありがとう璃珀!」

「確かにお腹すいてきたね。シャワー浴びて来ようか」

シャワー室で温水シャワーを浴びて着替え、碧雅たちの待つポケモンセンターへ戻ろうとした時だった。



「ん?」

「どうしたの、フユカ?」

「あれ、何だろう?」

フユカの指さす方を見ると、海面から何かが顔を覗かせている。

青い顔と触覚に、黄色で縁取られた青い目。見たことのないポケモンが私たちの方をジーッと見ていた。

2人揃って好奇心が勝り、その子へと近付いていく。クリっとした大きな目がニッコリと弧を描いた。

「か、可愛い……。群れからはぐれたのかな?」

「見たことない子だね。何てポケモンなんだろう?」

『……うん、君たちに決めた』

「「え?」」

そのポケモンのものと思しき声が聞こえた途端、触覚が赤い光を放つ。

その光は触覚からこっちへ伸びてきて、私たちの身体を包んだ。

「うわぁっ!?」

「な、何!?」

私たちの声に気付いたらしい璃珀と龍矢君が走ってくるのが見える。

赤い光が収まるのと、彼らが合流するのはほぼ同時だった。

「フユカちゃん、ユイちゃん、大丈夫!?」

「何があったんだい?」

「だ、大丈夫」

「今、ここに見たことのないポケモンがいたんだけど……」

「特徴は思い出せる? フユカちゃん」

「えっと……。全身が青くて、触覚があって……」

ん? ちょっと待って、ストップ。

今喋っているのは間違いなくフユカだ。でも目の前に立っている姿は、彼女のものじゃない。

「私がフユカの声で喋ってる!?」

「え……えぇっ!? 何で目の前に私がいるの!?」

もしかしなくても私たち、人格が入れ替わっちゃってます!?


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