04
買い物を済ませてポケモンセンターに戻り、早速水着に着替えた。
みんなへのお披露目も兼ねて(すごく恥ずかしいけど!)、更衣室から出る。
全員の視線が私の方に向いていて、少し落ち着かない。
「ど、どうかな……?」
恐る恐る碧雅たちにお伺いを立てると、真っ先に言葉を発したのは緋翠と紅眞だった。
「とても良くお似合いです、マスター!」
「おー、良いじゃん!」
「うん、ご主人の可愛らしい顔を良く引き立てているね」
「かわいーよ、ユイちゃん」
おっ、意外と高評価?
碧雅も晶も何だかんだ褒めてくれたし、フユカに感謝しないとなぁ。
「……何だか、緋翠みたい」
「あー……言われてみれば確かに?」
今私が着ている水着は、薄い緑の袖付きビキニと白のショートパンツのセパレートタイプ。
……うん、確かにラルトス系統のカラーリングに似てる。
「お待たせー。わぁ、ユイすごく似合ってるよ!」
「……」
着替えを終えたらしいフユカの姿に、思わず固まる。いや、彼女の水着が変というわけではなく。
フユカが着ていたのは、水色のオフショルダービキニだった。腰には同じ色の布(後で"パレオっていうんだって"と教わった)を巻いている。
え。すっごくオシャレだし、すっごく似合ってるんだけど。
「へぇ、フユカちゃんのも良いね」
「綺麗だよ、フユカ!」
「エヘヘ。ありがとう龍矢、悠冬。
自分で選んだって言えたら良かったんだけどね」
「え、違うの? てっきりフユカが自分で選んだんだと思った」
フユカの水着は、彩ちゃんと水恋さんがチョイスしたものらしい。
確かに、水恋さんもこういう水着似合いそう。
フユカがその場でクルッと回ると同時に、誰かが彼女の肩へ上着をかける。
深い緑色のあの上着は……緑炎さんのものだ。
「肌を出しすぎだ、ったく」
「日焼け止めはちゃんと塗ったよ?」
「そういうことじゃねぇ」
「露出の多い水着だしね。フユカさんが可愛くて心配しているんじゃないかな?」
「白刃も大概だけどさ、緑炎もフユカのことになると結構過保護だよね」
「……悪いか」
あれ、意外な反応。
以前の緑炎さんだったら、"違う!"とか"そんなんじゃねぇ!"って返してたのに。
しばらく会ってない間に、何かあったのかな?
「泳がなくても良いなら俺もついて行くよ。ナンパされないとも限らないし」
「そういうことなら俺も行こうかな」
「ロン毛とチャラ男はどちらかと言えば"する側"じゃないのか?」
"心外だなー。否定はしないけどさ!"と晶に抗議する龍矢君。
フユカは"はいはい、ついてくるんなら行くよー"って流していた。
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