03

「わぁ、いっぱいあるね!」

「うん、目移りしちゃいそう!」

海水浴シーズンなのもあってか、デパート内はたくさんのお客さんで賑わっていた。

水着も色んなデザインのものが取り揃えられていて、どれにしようか迷ってしまう。

「そういえば……緑炎さんたちは泳がないの?」

「うん、そうみたい」

誘ってはみたんだけどね、とフユカが苦笑いする。

聞けば全員が色んな理由で海水浴を断ったんだって。

「まず緑炎は"俺以外に飯の準備できるやついねえだろ"って断られたでしょ?
雅は水着で肌が露出するのが恥ずかしいから却下で、それから……」

海水浴を断った理由は本当に千差万別で、フユカが順番に口にしていく。

悠冬君は岩タイプを持ち合わせる関係で却下。龍矢君は"泳ぐより飛ぶのが専門なんだよねぇ、俺 "と却下。

蒼真君は猫系のポケモンだからか水はそんなに得意じゃないらしくて、バトルとお風呂以外では極力水を浴びたくないみたい。

「白刃はみんなに止められたんだよね」

「えっ、白刃が……ですか?」

緋翠の驚いたような反応に、白刃君は小さく"あぁ……"と返した。

「初めは姫のお美しい水着姿を、この目と写真に焼き付けようと意気込んでいたのだが……」

「"浴衣着たフユカすら直視できなかったんだからやめておけ"って、緑炎に言われちゃったんだよね」

"浴衣"という言葉に私もつい、"あー……"と零してしまう。

私たちがアローラで浴衣着た時の白刃君、確かフユカを直視できなくて両手で顔覆ってたもんね。

「さて、それはそれとして! ユイの水着を選ばなきゃね。
あっ、こんなのどうかな?」

「うーん……。可愛いけど、私にはハードル高いような……」

フユカは最近、彩ちゃんと水恋さんにオシャレのことを色々教えてもらってるんだって。

道理で持って来てくれる水着のセンスが良いわけだよ。



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