01
「あ゙づい゙ーー! アイス食べたーい!」
『珍しく気が合うね今すぐアイス買いに行くよ』
「めっちゃ早口で喋るじゃん」
カンカン照りの太陽の下で、私と碧雅がその暑さにダウンする。
最近のシンオウ地方は猛暑日続き。
昨日のシンオウ・ナウではアイスクリーム屋さんの行列が取材されてたっけ。
さすがにこの炎天下の中で行列に並ぶのは避けたい。まずはポケモンセンター探さないと。
『ユイも碧雅も、このくらいの暑さでへばってて大丈夫なのか?』
『お前と一緒にしないでよ』
『紅眞君は炎タイプだから暑さに強いんだね。白恵君と晶君は大丈夫かい?』
『からだぽっかぽかー』
『……この程度なら問題はない』
だいぶ我慢してるように聞こえるのは気のせいかな、晶?
『おや。ポケモンセンターが見えてきましたよ、マスター』
「あっ、本当だ! 部屋に空きがありますように!」
一縷の望みをかけてポケモンセンターへ駆け込む。
部屋の予約を入れるべく、ジョーイさんへ声を掛けた。
「「すみません、部屋空いてますか?」」
……ん? 私の他に誰かの声が聞こえたような?
声の聞こえてきた方へ振り向くと、そこには見覚えのある姿があった。
少しクセの残る黒髪のポニーテール。クリっとしたグレーの瞳。
「あれっ、ユイ?」
「えっ……なんでフユカがここに!?」
何ということでしょう。
私の隣に立っていたのは、カロス地方にいるはずのフユカその人だった。
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