09
「んまかったー! 何だ、ユイもお菓子作れんじゃん」
「ジャンさんとソフィアさんが教えてくれたからだよ。でも口にあったみたいで良かった」
「ところで、1つお聞きしたいことが……。ケーキと一緒に配られたこの花は?」
「あ、それはね……」
「これはね、くーちゃん。"ありがとうのおはな"だよ」
「く、"くーちゃん"……」
白恵がグラシデアの花を見ながら、白刃君にそう答える。
というか"くーちゃん"って……何か可愛いな。
「この花のこと知ってるなんてすごいね。
白恵君の言う通り、これはグラシデアの花って言って、感謝の気持ちを相手に伝えてくれる花だよ」
「旅の中でみんなには色々と助けてもらってるし、だからこそケーキと一緒にこの花を渡したかったんだ」
「お礼を言いたいのは私たちも同じですわ。
フユカの優しさと明るさに、私たちはいつも励まされておりますのよ」
「雅の言う通りです、マスター。
貴女のポケモンとしてお傍にいられることが、私たちにとって1番の幸福なのですから」
みんなの笑顔が、私たちの心を優しく暖めてくれる。
頑張ってケーキを作った甲斐があったと、フユカと顔を見合せて笑ったのだった。
[*prev] [next#]
TOP