07
「コーディネーターとポケモンたちによる、素晴らしい演技の数々でした!
それではこれより、最優秀賞を決める投票を開始します。
印象に残ったコーディネーターのエントリーナンバーを紙に書いて、投票箱へお入れください!」
観客が番号を書いた紙を次々と投票箱へ入れていく。
その間は私もヒカリちゃんも、他のコーディネーターの人もみんながソワソワしていた。
「結果がどうなるか緊張するね」
「そうですね。ピンプクも頑張ってくれたし、後で目一杯お礼言わないと。
それよりもレイナさん、何で彼氏さんがいること教えてくれなかったんですか?」
言ってくれれば良いのにぃ、とヒカリちゃんが頬を膨らませる。
「ち、違うよ! ナオトはただの友達で……。
というか、どうして私と彼がそういう関係だって思ったの?」
「どうしてって……。レイナさんのこと見てる時のナオトさん、すごく優しい目してるから」
「そ、そうなんだ……?」
"えっ、気付いてなかったんですか!?"って言われてしまった。
ぜ、全然気付かなかったよ……。
「ナオトさんとはどこで知り合ったんですか? どんな風に出会ったのかも聞かせてください!」
「ど、どんなって……いたって普通だったよ」
いや、天馬君とぶつかったことはハプニングになるのか。
「皆様、お待たせいたしました。フタバ祭り・パフォーマンス大会、優勝者の発表です!」
(いよいよだな……)
私も幸矢も精一杯やり切ったし、誰が優勝してもおかしくないと思う。
「それでは早速参りましょう。
まず第3位はミズキさんとミミロップ、第2位はリクさんとレントラーです!
そして多くの観客を魅了した優勝者は……!」
出場者全員が固唾を飲んで見守る。鳴り続ける小太鼓の音がとても長く感じた。
「何と今年はダブル優勝者! ヒカリさんとピンプク、レイナさんとブイゼルです!」
「「ええっ!?」」
ダブル優勝って……投票数同じだったってこと!?
「優勝だって! ありがとうピンプク、よく頑張ったね!」
『やったったー♪』
「幸矢もありがとうね! 一緒に出られて楽しかったよ」
『……そうか、良かったな』
あ、そっぽ向いた。
でもそれが照れ隠しだってことはちゃんと分かってる。尻尾がすごく揺れてるぞ。
「まさかレイナさんと一緒に優勝だなんてビックリしちゃった。
でもとっても嬉しいです! レイナさん、優勝おめでとうございます!」
「こちらこそだよ! ヒカリちゃんも優勝おめでとう、これからのコンテストも頑張ってね」
こうしてパフォーマンス大会は幕を閉じた。
[*prev] [next#]
TOP