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そして迎えたフタバ祭りのパフォーマンス大会。

小さな町のお祭りとはいえ、出場者は気合を入れてオシャレしている。

みんな美形揃いだから衣装がよく似合ってて羨ましいなぁ。

ヒカリちゃん含めた子どもたちのビジュアルも将来有望だよ。

役員であるアヤコさんの司会進行により、大会の開催が宣言される。

トップバッターはヒカリちゃん。地元出身のポケモンコーディネーターってこともあって、お客さんも大賑わいだ。

「お願いね、ピンプク!」

『あーい!』

ハートシールの貼られたモンスターボールから出てきたピンプクが、上手にステージへ着地する。

1人で立てるようになったのかぁ。ヒカリちゃんに抱っこされてた時から、かなり日が経ったもんね。

ヒカリちゃんの指示を受けたピンプクが、ステージの上をコロコロと転がる。

その無邪気な愛らしさにお客さんの目も釘付けだ。

「今よピンプク、"メロメロ!"」

『ピンプク、みんなのことだーいしゅきー!』

観客席に無数のハートが降り注ぐ。子どもも大人も男女問わず、文字通りメロメロだ。

一人前のポケモンコーディネーターを目指しているヒカリちゃんは、それだけ数多くのコンテストを経験しているんだろう。

各地のポケモンジムを渡り歩く私と違って、どうすれば自分のポケモンの魅力を引き出せるのかをよく分かっている。

ポケモンを好きな気持ちは私も負けてないって思ってるけど、ジム戦とコンテストのどちらを目標とするかで育て方の方向性は大きく異なってくる。

"ポケモンたちを輝かせる"という、私には無いものをヒカリちゃんは持っていた。


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