01
太陽が地上を穏やかに照らす中、私たちはマサゴタウンの隣に位置するフタバタウンにやってきた。
今までに訪れた町のいずれとも違う、豊かな自然に囲まれた町だ。
町の中央にある広場に向かうと、大勢の人で賑わっていた。
「えーっと、この広場で合ってるんだよね?」
『どうやらそうらしい』
『何だろう、すっごく楽しそう!』
広場で待ち合わせをしているので、近くのベンチに腰を下ろす。
カバンの中から封筒を取り出し、中の手紙をもう1度読んだ。
「"フタバ祭り"への招待状、か……」
私たちがフタバタウンを訪れた理由。それはヒカリちゃんのママ・アヤコさんから届いた1通の手紙だった。
フタバ祭りは年に1回フタバタウンで開催されるビッグイベントで、3日間に渡って盛大に執り行われるそうだ。
アヤコさんはその役員を任されてるらしくて、"せっかくだから"と誘ってくれたらしい。
ちょうどマサゴタウンのポケモンセンターに宿泊していた私たちも、気分転換を兼ねて参加することにしたというわけ。
「あー、いたいた。おーいレイナ!」
「お久しぶりでーす!」
声のする方を見遣れば、こっちに向かって走ってくる2つの人影。ジュン君とヒカリちゃんだ。
「2人とも久しぶり。ポケモンたちも元気?」
「はい、元気ですよ!」
「俺たちもやる気は十分だぜ! 久しぶりにダディも帰ってくるしな!」
「そうなんだ。それは楽しみだね」
「ジュンのお父さん、普段は"ファイトエリア"にあるバトルタワーで働いてるらしくて。
だからあんまり帰ってこられないみたいで、あたしも小さい頃に1度会ったくらいなんです」
ファイトエリアってどこにあるんだっけ? 聞いたことないな……。
あとジュン君から、そのバトルタワー最強の証・タワータイクーンの称号を持つトレーナーだってことも聞いた。
"バトルタワー最強"ってことは、ジュン君のお父さんってすごいトレーナーなんだなぁ。
「あ、そういえばこのお祭りってどんな催し物があるの?」
「えっと確か、初日がコンテスト形式のパフォーマンス大会だろ?
2日目が大食い大会で、最終日がバトル大会だぜ」
おぉう……見事にうちのメンバー(1部除く)の好きそうな催し物が目白押しだ。
「あっちでママが待ってますよ。行きましょう、レイナさん!」
ヒカリちゃんに腕を取られて走り出す私の後ろで、ジュン君の"置いて行くなー!"って声が響いた。
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