09
レストランを出て近くの公園に移動する。
トレーナーもよく利用するのか。バトルフィールドが併設された公園だった。
ルールは1vs1のサドンデス。レイナは焔君を繰り出し、私は悠冬を繰り出す。
悠冬にとっては初めてのバトルだな、そういえば。
先攻はジャンケンの結果、私になった。
「それじゃあ行くよ! 悠冬、冷凍ビーム!」
『任せて!』
「焔、火炎車!」
『了解!』
焔君が持ち前の素早い身のこなしで突っ込んでくる。
「だったら次は、原始の力!」
「そうはさせないよ! マッハパンチ!」
流石レイナ……炎タイプの弱点をきちんとカバーしてる。
でも、私たちだって伊達にカロスを旅してないもんね!
「地ならし!」
バトルフィールド全体に振動が走り、焔君の動きが鈍る。
チャンスだと思ったけど、レイナの指示を受けた焔君が上空に逃げてしまった。
「火炎放射!」
灼熱の炎が悠冬目掛けて向かってくる。
原始の力をぶつけた衝撃による煙を味方に付けたマッハパンチが命中し、悠冬は目を回して倒れた。
『やったぁ!』
「お疲れ様、焔。よく頑張ったね!」
『あ〜あ、負けちゃった……』
「悠冬もお疲れ様。初めてのバトルでここまで戦えたら上出来だよ」
焔君と悠冬を労い、お互いの健闘を称え合ったその時。
パチパチと手を叩く音が聞こえてきた。
「まだまだ若く荒削りだが、素晴らしいバトルだった。
思わずリザードンと一緒に参加するところだったぜ!」
「やめてやれよ。……ったく、お前が乱入したら台無しだろうが」
[*prev] [next#]
TOP