07
スタジアムが熱気に包まれる中、エキシビションマッチは始まった。
チャンピオン・ダンデさんが繰り出したのはリザードン。
対するキバナさんは私たちが見たことのないポケモンを繰り出した。
ジュラルドンというらしいそのポケモンは、重量感のある体格で堂々とリザードンと向かい合っている。
ドラゴンタイプなのは分かるんだけど、あの見た目だと鋼タイプもあるのかな?
試合は一進一退の攻防が続いた。
リザードンは圧倒的なパワーで技をぶつけ、ジュラルドンは鋼タイプとは思えない素早さを見せ付ける。
手に汗握る展開雨に、観客の盛り上がりが最高潮に近付いた時だった。
キバナさんがジュラルドンをモンスターボールに戻してしまった。
「あれ、どうしたんだろう?」
「さぁ? ……って、何!?」
キバナさんの手には巨大化したモンスターボール。
それをフィールドに投げると、巨大化したジュラルドンが現れた。
「「ええぇぇぇ!?」」
っていうか、さっきと姿変わってない!?
それを見たダンデさんはニヤリと笑い、同じように巨大化したリザードーンを繰り出した。
初めて見るバトルの展開に目を白黒させる私とレイナ。
緑炎たちも驚いているし、ちびっ子組は興奮でテンションが上がっている。
メガシンカ……じゃないことだけは確かだ。
姿は変わっても、巨大化はしないもんね!
ダンデさんがリザードンに指示を出す。
その巨体から放たれた豪火がジュラルドンに直撃した。
熱風が襲うことを覚悟して身を屈めたけど、全く熱くない。
不思議に思って体を起こせば、赤く光るバリアのようなものが張られている。
「何、あの壁!?」
「たぶんキングシールドだよ。
現時点でギルガルドしか覚えない技で、守ると同じ効果があるんだ」
落ち着いてよく見れば、キングシールドはバトルフィールドを覆うように展開されている。
審判がギルガルドに乗ってるのは、このためだったのか。
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