02


レジで会計を済ませると、店員さんから福引券を1枚貰った。

蒼真がどこかソワソワした様子で"回しても良い?"と聞いてくる。

前に特賞を引き当てた蒼真なら、今回も良い物を引いてくれるかもしれない。

そんな淡い期待を抱きながら、ガラポンに向かった蒼真を見送る。

少し離れたところで飲み物を飲みながら待っていると、突然ベルか何かの音が大きく響いた。

「おめでとうございます!
特賞のガラル地方の・エキシビションマッチの観戦チケットです!」



「ブフッ!?」



飲んでいたサイコソーダを思い切り噴いた。

いや、だって本当に良い物引き当ててくると思わないじゃん?

2回連続で特賞……もしかしたら蒼真って、とんでもない強運の持ち主だったり?

思わずガラポン会場の方へ目を向ければ、そこにはチケット2枚を大事そうに持っている蒼真の姿。

……チケット2枚?

「ペアチケット、当たった……」

ぺ、ペアチケット……だと……!?

『フユカ、特賞って何?』

「景品の中で1番良い物って意味だよ。当てようと思っても滅多に当たらないんだよね」

『へぇ、そうなんだ! すごいね、蒼真!』

蒼真は相変わらずの無表情でグッと親指を立てる。

でも結構嬉しそうで、ほんの少しだけ口角が上がっていた。

アレックスさんも誘おうかな……。

せっかく引き当ててくれたんだし、こんなチャンスあんまり無いもんね。

失くしたら大変なので、チケットを財布にしまい込む。

みんなの驚く顔を楽しみにしながら研究所へと急いだ。



研究所に戻って緑炎たちにチケットのことを話した。

蒼真が特賞を当てる瞬間を見たことのある、緑炎が1番驚いてたな。

アレックスさんを誘ってみたけど、彼はその日に大事なフィールドワークがあるそうで。

……となると、博士は当然無理そうだな。残念。

「レイナちゃんを誘ってみたらどうかな? きっと彼女も喜ぶと思うよ」

「あ、そっか! そうしてみます!」


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