02
突然倒れたレイナに驚いた僕は、どうすることも出来ないまま肩を揺すった。
「レイナ、レイナ! しっかりして!」
他の皆も次々とモンスターボールから飛び出し、予想外の出来事に動揺していた。
『レイナ、大丈夫!?』
『これは……気を失っているのか?』
『レイナ死んじゃヤダァ!』
『どうすりゃ良いんだ? 倒れた原因も分かんねぇし……』
戸惑ってばかりじゃダメだ。早くレイナを助けないと、このままだと本当に……!
「ねぇ、擬人化した僕達の中で1番背が高いの誠士だよね?
街のポケモンセンターまで、おんぶして連れて行こうよ」
次の街は目前みたいだし、誰かが通るのを待っているよりもずっと良い。
『分かった、急ごう』
擬人化した誠士がレイナを背負ったのを確認して、全員で街のポケモンセンターへと走り出した。
ポケモンセンターに到着して、すぐにレイナをジョーイさんに預けた。
ジョーイさんは最初驚いていたけれど、僕達の状況を理解してくれてラッキーと一緒に検査室へと入っていった。
「レイナ、大丈夫かな?」
笑理が不安そうに声を掛けてくる。
いつもならこんな時はレイナが励ましてくれるけど、今日はそのレイナナが倒れた。
自分のポケモンが傷付いて、ポケモンセンターに駆け込むトレーナーを何人か見たことがある。
普段僕達は心配される側だけど、心配する側の気持ちが分かる気がした。
ガラスの向こうで眠っているみたいに目を閉じたままのレイナ。
「……きっと大丈夫だよ」
「あぁ、ジョーイさんはプロだ。
それに、レイナは俺たちを置いていくようなことはしない。
彼女を信じよう」
『そうだな。案外"よく寝た"って起きてくるかもしんねぇぞ?』
勇人の冗談に、少しだけみんなに笑顔が戻る。
僕も信じて待とう。目を覚ましたら、"おはよう"って言ってあげるんだ。
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