08
ナナカマド博士の案内で、桜の名所に連れてきてもらった私たち。
名所というだけあって辺り一帯に桜が咲き誇り、多くの人が桜を見ながら談笑やお弁当を楽しんでいる。
私とレイナも自分のポケモンを出した。
「あっ、タツベイ! 仲間が増えたんだね」
「うん、タツベイの勇人だよ。
フユカの方も仲間が増えたんだね。カロスのポケモン?」
「そうだよ。アマルスの悠冬と白いスーツの彼がアブソルの白刃」
『よろしくな!』
『よろしくね〜♪』
「よろしく頼む」
お互いの自己紹介を簡単に済ませた頃、ナナカマド博士が私たちに声をかけてきた。
せっかく久しぶりに会ったのだから、みんなで楽しんできなさい、と言ってくれた。
博士たちの好意を受け取り、少し離れたところにシートを広げた。
「これだけ快晴だと絶好の花見日和だな」
「そうだな。桜も満開だし、風も強くない」
「えぇ。気温も暖かくて良かったですわ」
『これがサクラかぁ。綺麗だね、蒼真!』
「……うん」
満開の桜の樹の下で、それぞれがワイワイとおしゃべりを始める。
そんなみんなの様子を、私もレイナと談笑しながら眺めていた。
「レイナ〜、僕お腹すいたよ」
「焔、今日はお花見に来たんだよ。お弁当はもう少し後で」
「は〜い」
「風流よりも食い気って感じだね、焔は」
『そういうの何つったっけ? 花より……?』
「食い気、だっけ?」
「花より団子、だな」
みんな桜そっちのけでおしゃべりしてるような気がするけど、やっぱり久しぶりにみんなに会えて嬉しいんだな。
初めて会うメンバーとも打ち解けてるみたいだし、一安心。
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