02
悠冬の口から突然飛び出した"オハナミ"という単語に、全員キョトン顔。
「お花見?」
「どうした、急に?」
『春にはサクラっていう花がいーっぱい咲くんでしょ?
僕、サクラの花見てみたいんだ』
「そっかぁ」
アマルスは氷河とかに住んでたから、桜の花を見たことないんだよね。
お花見の時期にもちょうど良いし、せっかくだから全員でお花見しよう。
……って言いたいところなんだけど。
「緑炎、カロス地方って桜咲くの?」
「いや、そもそもサクラの木自体を見たことがねぇ。
だからハナミするんなら、他の地方に行くしか方法はねぇぞ」
「他の地方、ですか」
悠冬に桜を見せてあげたいけど、他の地方となると距離が遠い。
かといって、写真で我慢っていうのは可哀想だし……。
「どうしよう?」
「フユカさん、何か考え事かい?」
「あ、博士」
私はプラターヌ博士に事の詳細を話した。
「ハナミか……。確かにカロスではサクラの木は見ないね。
……そうだ! フユカさん、僕は3日後にシンオウ地方に行く用事があるんだ。
シンオウにはサクラの木があるみたいだから、そこでハナミをしたらどうだろう?」
「シンオウ!?」
シンオウって言ったら、レイナが旅をしている地方。
もしかしたらレイナたちに会えるかも!
「それ良いですね、そうします!」
「じゃあ、シンオウへは僕と一緒に行こう。
飛行機のチケットは手配しておくから、その間にハナミの場所をじっくり相談すると良いよ。
僕もナナカマド博士にオススメのスポットを聞いてみるから」
「はい、ありがとうございます!」
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