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悠冬の口から突然飛び出した"オハナミ"という単語に、全員キョトン顔。

「お花見?」

「どうした、急に?」

『春にはサクラっていう花がいーっぱい咲くんでしょ?
僕、サクラの花見てみたいんだ』

「そっかぁ」

アマルスは氷河とかに住んでたから、桜の花を見たことないんだよね。

お花見の時期にもちょうど良いし、せっかくだから全員でお花見しよう。



……って言いたいところなんだけど。

「緑炎、カロス地方って桜咲くの?」

「いや、そもそもサクラの木自体を見たことがねぇ。
だからハナミするんなら、他の地方に行くしか方法はねぇぞ」

「他の地方、ですか」

悠冬に桜を見せてあげたいけど、他の地方となると距離が遠い。

かといって、写真で我慢っていうのは可哀想だし……。

「どうしよう?」

「フユカさん、何か考え事かい?」

「あ、博士」

私はプラターヌ博士に事の詳細を話した。

「ハナミか……。確かにカロスではサクラの木は見ないね。
……そうだ! フユカさん、僕は3日後にシンオウ地方に行く用事があるんだ。
シンオウにはサクラの木があるみたいだから、そこでハナミをしたらどうだろう?」

「シンオウ!?」

シンオウって言ったら、レイナが旅をしている地方。

もしかしたらレイナたちに会えるかも!

「それ良いですね、そうします!」

「じゃあ、シンオウへは僕と一緒に行こう。
飛行機のチケットは手配しておくから、その間にハナミの場所をじっくり相談すると良いよ。
僕もナナカマド博士にオススメのスポットを聞いてみるから」

「はい、ありがとうございます!」


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