02
「ただいま〜……」
疲れた……。すっごく疲れた!
ほとんど全力疾走に近かったもんね! 頑張ったよ、私。
「姫、おかえりなさいませ。
……ずぶ濡れではないですか! 今すぐタオルをお持ちします!」
白刃がバタバタとタオルを取りに行った。
相変わらずお姫様扱いには慣れないなぁ……。
全身雨に濡れたせいか、少し寒い。
『あ、フユカに緑炎! おかえり!』
「おー、ただいま悠冬。雨降ってても元気だね」
悠冬の笑顔はホント太陽みたいだよ。
あれ、悠冬氷タイプだから暖かいのはダメじゃない? 溶けるわ。
「姫、タオルをお持ちいたしました」
「ありがと白刃」
白刃からタオルを受け取って髪を拭く。
柔軟剤の匂いが微かに鼻腔をくすぐる。うん、良い香り。
「あれ、そういえば緑炎は?」
「緑炎なら、買ったものを冷蔵庫に片付けに行きましたよ。
姫、お体が冷えておいででしょう。入浴してこられては?」
「ん、そうするよ。緑炎にも後で入るように言っておいて」
「かしこまりました」
ちょっと肌寒くなってきたし、早く温まってこよう。
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