03
誠士の着替えを待つこと数分――。
「き、着替えたぞ……」
部屋から何とも恥ずかしそうな声が聞こえてくる。
笑理を先頭に部屋に入ると、ふんわりギャザーのワンピースを着た誠士が立っていた。
顔がオクタンみたいに真っ赤だ。
「うわぁ、誠士キレイ!」
「ねぇ焔、誠士の隣に立ってみてよ!」
「ええっ!?」
そう言いながらも隣に並ぶ焔は良い子だと思う。
あとで何かお菓子作ってあげよう……。
「こうして見ると姉妹みたいだね」
髪の色、全然違うけど……。
「あ、そういえば……。
笑理、レイナに試してもらいたいコーデって何?」
「あれはコーデっていうか……一式?
レイナ、あたしたち部屋の外に出てるから、これに着替えて!」
そう言って渡されたのは、何とギャルソン服。
……ギャルソン!?
「ちょっと待って、笑理! これ男の人が着るやつ……」
「大丈夫! サイズは合ってると思うから」
「いや、そういうことじゃな「じゃあ、着替えたら呼んでね!」
問答無用かいいぃぃ!
「ギャルソン服なんて今まで着たことないのに……」
仕方ない、着替えるか……。
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