06
お土産の分のついでに、自分たちが食べる分のミアレガレットを買ってカフェに戻る。
なんでも、フユカの相棒である緑炎さんに"このカフェにいろ"と言われているから離れられないのだそうで……。
「まったく。ミアレシティの地図は覚えたし、もう小さい子でもないんだから迷子になったりしないのに」
「まぁまぁ。フユカを心配してのことだよ、きっと」
ミアレガレットを食べながらそんな話をしていると、誰かがこちらへ向かって走ってくるのが見えた。
「どしたの、焔? そんなに息を切らせて」
「レイナ、來夢! 笑理がいなくなっちゃった!」
「「え!?」」
「大変!
ミアレシティって広いし大通り以外は道が複雑だから、1度道が分からなくなると大半は迷子になるんだよ」
なんてこったい……。
まさか旅先で迷子捜索することになるとは思わなかった。
「レイナ、私も一緒に探すよ!」
「え、でもカフェにいろって言われてるんじゃ……」
「大丈夫。人助けだって言えば緑炎も許してくれるって。
それよりも今は笑理ちゃんの方が心配だよ。
路地裏はゴロツキがたむろしてることもあるから、大事になる前に見つけ出さないと」
『僕も手伝う……』
「ありがとうフユカ、蒼真君!」
笑理が変な奴らに絡まれてませんように!
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