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(ここまでやるなんてな……)

レントラーをモンスターボールに戻し、次のボールを手に取る。

今まで色んなチャレンジャーが勝負を挑んできた。

その中で俺と良い勝負をするトレーナーもいた。

今度こそ痺れるような楽しいポケモンバトルを展開してくれるのではないか。

そう期待したことだって何度もある。

でも結局、"コイツ"を引き摺りだすことができたチャレンジャーはここ数年1人もいなかった。

だがアイツは、確かにコイツを引き摺り出すことに成功している。

一進一退とはいえ着実に……俺を追い詰めている。

(面白い……。このギリギリの駆け引き、脳が痺れるような感覚……!
これこそ俺の求めるポケモンバトルだ!)

アイツなら……レイナなら、本当に……。

思い出させてくれるかもしれない。"俺が本当にやりたいポケモンバトル"を!

さっきのバトルでは思わずアイツの正気を疑ったが、その後のボーマンダとの様子を見ていれば分かる。

あれはアイツがトチ狂った訳ではなく、互いの信頼の上であんな作戦を使ったのだと。

(だったら俺は……俺たちの全力で応える。
俺に、ポケモンバトルの楽しさを思い出させてくれるトレーナーであってくれ!)

そんな願いを胸に秘めながら、俺は最後のモンスターボールを投げ上げた。



「コイツが俺の切り札! 行け、エレキブル!」



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